病気やけがによって生活や仕事に支障が出たとき、経済的な支えとなるのが障害年金です。しかし、その制度は複雑で、申請手続きは多くの人にとって大きな負担となります。特に、静岡県や浜松市で申請を考えているものの、「何から始めればいいかわからない」「書類の準備が大変そう」と悩んでいる方も少なくないでしょう。
この記事では、障害年金の基本的な知識から、静岡県の最新データ、そして申請を力強くサポートしてくれる社会保険労務士(社労士)の役割まで、網羅的に解説します。浜松市の具体的な成功事例も交えながら、あなたが最適な選択をするための一助となる情報をお届けします。
障害年金制度の基本を理解する
障害年金は、公的年金制度の一部であり、病気やけがで障害の状態になった場合に、現役世代でも受け取ることができる所得保障です。まずは、その基本的な仕組みを理解することから始めましょう。
障害年金の種類:基礎年金と厚生年金の違い
障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。どちらの対象になるかは、障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、どの年金制度に加入していたかによって決まります。
- 障害基礎年金:初診日に国民年金に加入していた方(自営業者、学生、無職の方など)や、20歳前に初診日がある方が対象です。障害等級は1級と2級があります。
- 障害厚生年金:初診日に厚生年金に加入していた方(会社員や公務員など)が対象です。障害等級は1級、2級、3級があり、3級より軽い障害が残った場合には障害手当金(一時金)が支給されることもあります。障害基礎年金に上乗せされる形で支給されるため、より手厚い保障となっています。
つまり、障害厚生年金の方が保障の範囲が広いと言えます。ご自身の初診日がいつで、その時どの年金に加入していたかを確認することが、申請の第一歩です。
受給のための3つの要件
障害年金を受給するためには、主に以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 初診日要件:障害の原因となった病気やけがの初診日が、国民年金または厚生年金の被保険者期間中にあること。または20歳前や60歳以上65歳未満(国内在住)の年金未加入期間にあること。
- 保険料納付要件:初診日の前日において、一定の保険料を納めていること。原則として、初診日の前々月までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上が保険料納付済期間または免除期間であることが求められます。(特例あり)
- 障害状態要件:障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日、またはそれ以前に症状が固定した日)において、国が定める障害等級(1級〜3級)に該当する状態であること。
これらの要件、特に「初診日の証明」と「保険料納付要件の確認」は、申請における重要な関門となります。
年金額の目安(令和7年度)
年金額は、年金の種類や等級、家族構成によって異なります。以下は、日本年金機構が公表している令和7年度(2025年度)の障害基礎年金の額です。
- 1級:1,039,625円/年(昭和31年4月2日以後生まれの方)
- 2級:831,700円/年(昭和31年4月2日以後生まれの方)
また、生計を維持されている18歳未満の子(または20歳未満で障害等級1・2級の子)がいる場合、子の加算額が上乗せされます。
- 子の加算額:1人目・2人目は各239,300円/年、3人目以降は各79,800円/年
障害厚生年金は、これまでの厚生年金加入期間や給与(標準報酬月額)に応じて計算される「報酬比例の年金額」が基礎となり、障害基礎年金に上乗せされます。そのため、個々人によって受給額が大きく異なります。
静岡県における障害年金の現状とデータ
全国的に見ても、障害年金の審査は年々厳格化していると言われています。ここでは、公表されているデータを基に、静岡県における障害年金の状況を見ていきましょう。
静岡県の支給・不支給の状況
日本年金機構が公表した令和6年度の統計データによると、静岡県の障害年金新規裁定(申請に対する決定)における支給・不支給の割合は以下のようになっています。
障害基礎年金では、申請決定数2,442件のうち、支給が2,020件、不支給(非該当)が422件で、不支給率は約17.3%です。一方、障害厚生年金では、決定数1,614件のうち、支給が1,485件、不支給が129件で、不支給率は約8.0%となっています。
障害基礎年金の方が不支給率が高い傾向にあり、これは全国的な傾向とも一致します。書類審査のみで判断されるため、いかに自身の障害状態を正確かつ適切に書類上で表現できるかが、支給決定を左右する重要な鍵となります。
傷病別の傾向:精神障害・知的障害が多数
どのような病気やけがで障害年金が請求されているのでしょうか。令和3年度の静岡県のデータを見ると、新規に障害基礎年金の支給が決定したケースのうち、傷病の種類別では「精神障害・知的障害」が圧倒的に多く、全体の約7割を占めています。
これは、うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害といった精神疾患が、外見からは分かりにくいものの、日常生活や就労に大きな支障をきたすことを示しています。しかし、これらの疾患は症状の程度を客観的な数値で示しにくいため、診断書や「病歴・就労状況等申立書」の作成には特に専門的な知識と工夫が求められます。
次いで「外部障害(肢体の障害など)」、「内部障害(がん、心疾患、腎疾患など)」と続きます。特に、がんや糖尿病、心疾患といった内部障害も障害年金の対象となることは、まだ十分に知られていないのが現状です。治療と仕事の両立に困難を感じている場合、障害年金が生活の支えになる可能性があります。
障害年金申請:自力か、社労士か?
複雑な障害年金申請を、自分一人の力で進めるべきか、それとも専門家である社労士に依頼すべきか。これは多くの人が直面する悩みです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合った方法を選びましょう。
社労士に依頼する7つのメリット
費用はかかりますが、社労士に依頼することで得られるメリットは非常に大きいものがあります。特に、体調が不安定な方や、手続きに不安を感じる方にとっては、心強い味方となります。
- 手続きの負担軽減と時間の節約:年金事務所への相談予約、書類の収集、作成、提出といった煩雑な手続きを代行してもらえます。これにより、申請者は治療や体調管理に専念できます。
- 専門知識による書類の完成度向上:障害年金は書類審査です。社労士は、審査のポイントを熟知しており、診断書との整合性を保ちながら、障害の状態を的確に伝える「病歴・就労状況等申立書」を作成します。
- 医師との連携サポート:日常生活の困難さをまとめた資料を作成し、医師に提供することで、実態に即した診断書を書いてもらいやすくなります。完成した診断書の不備チェックも行います。
- 申請までのスピードアップ:経験豊富な社労士は、最短ルートで申請準備を進めるため、結果的に受給開始が早まる可能性があります。
- 不服申立てまでの一貫サポート:万が一、不支給となった場合でも、その理由を分析し、「審査請求」や「再審査請求」といった不服申立ての手続きをサポートしてもらえます。
- 精神的な安心感:「専門家が一緒に進めてくれている」という事実は、何よりの心の支えになります。一人で悩みを抱え込むストレスから解放されます。
- 困難ケースへの対応力:「初診日の証明が難しい」「転院を繰り返している」といった複雑なケースでも、専門的な知識と経験で解決の糸口を見つけてくれます。
ある依頼者の声として、「自分にとっての普通が、どれだけ世間とズレて大変であるかをきちんと理解し、書類に反映してくれたこと」が大きかったと語られています。これは専門家ならではの視点と言えるでしょう。
出典:わくわく社会保険労務士法人
【浜松市の事例】社労士のサポートで受給につながったケース
静岡県浜松市においても、社労士のサポートによって障害年金の受給に成功した事例が数多く報告されています。ここでは、その一例をご紹介します。
【発達障害で障害基礎年金2級を受給できた30代女性のケース(浜松市)】
幼少期から対人関係に悩み、就職後も仕事のミスが多く長続きしなかった30代の女性。当時は障害者雇用で短時間勤務をしていましたが、生活は不安定でした。社労士に相談し、これまでの経緯を丁寧にヒアリング。特に、職場でどのような配慮を受けているか、日常生活でどのような困難があるかを具体的に「病歴・就労状況等申立書」にまとめ、医師にも情報提供を行いました。その結果、就労中でありながらも障害基礎年金2級の受給が認められ、年間約78万円の年金が生活の安定につながりました。
参考事例:浜松障害年金支援センター
この事例のように、たとえ就労していたとしても、仕事内容や職場での配慮、日常生活の支障の程度を適切に主張することで、受給につながる可能性は十分にあります。しかし、その「適切な主張」を個人で行うのは非常に難しく、専門家である社労士の力が発揮される場面です。
また、他の社労士事務所で「難しい」と断られた案件でも、別の経験豊富な事務所に依頼し直したことで、無事に障害基礎年金2級の受給が決定したというケースも報告されています。諦めずに信頼できる専門家を探すことが重要です。 参考事例:堀田経営労務事務所
自力申請と社労士依頼の比較
どちらの方法がご自身に適しているか、以下の表で比較検討してみてください。
| チェック項目 | 自分で申請する場合 | 社労士に依頼する場合 |
|---|---|---|
| 手間・時間 | 大きい。書類収集や作成、窓口への複数回の訪問が必要。 | 小さい。煩雑な手続きを代行してもらえ、治療に専念できる。 |
| 専門知識 | ゼロから独学で学ぶ必要があり、情報の正確性の判断が難しい。 | 豊富。審査のポイントを押さえた的確な書類作成が期待できる。 |
| 書類の完成度 | 不備や矛盾が生じやすく、不支給のリスクが高まる可能性がある。 | 高い。診断書との整合性を図り、説得力のある書類を作成する。 |
| 費用 | 実費のみ。ただし、受給開始が遅れると機会損失が発生しうる。 | 発生する。多くは「着手金無料・成功報酬制」で、不支給なら費用はかからない場合が多い。 |
| 精神的ストレス | 大きい。複雑な手続きを一人で抱え込むプレッシャーがある。 | 小さい。専門家が伴走してくれる安心感が得られる。 |
| 向いている人 | 初診日が明確で、時間に余裕があり、書類作成が得意な方。 | 初診日の証明が困難、体調が不安定、手続きに不安がある方。 |
静岡県(浜松市)で信頼できる社労士を選ぶ4つのポイント
「社労士に依頼しよう」と決めても、どの事務所に相談すれば良いか迷うかもしれません。静岡県内にも多くの社労士事務所がありますが、以下のポイントを参考に、ご自身に合ったパートナーを見つけましょう。
1. 「障害年金専門」であるかを確認する
社労士の業務は多岐にわたります。企業の労務管理を主業務とする社労士も多く、すべての社労士が障害年金に精通しているわけではありません。まずは、ホームページなどで「障害年金を専門に扱っているか」「実績が豊富か」を確認することが最も重要です。
2. ホームページで実績と料金体系をチェック
信頼できる事務所のホームページには、以下のような情報が分かりやすく記載されています。
- 具体的な受給事例:自分と似た傷病や状況の事例があるか確認しましょう。リアルな事例が豊富であるほど、経験値が高いと判断できます。
- 明確な料金体系:着手金はかかるのか、成功報酬はいくらか(例:「年金2ヶ月分+税」など)が明記されているかを確認します。多くの専門事務所では、相談料や着手金が無料で、年金が支給された場合のみ報酬が発生する「成功報酬制」を採用しています。
- 社労士のプロフィール:顔写真や経歴、資格、障害年金への想いなどが掲載されていると、人柄が伝わりやすく安心感につながります。
3. 無料相談で対応と相性を見極める
多くの専門事務所が初回無料相談を実施しています。この機会を積極的に活用し、以下の点を確認しましょう。
- 社労士本人が対応してくれるか:事務員任せにせず、専門家である社労士が直接、親身に話を聞いてくれるかが重要です。
- 説明の分かりやすさ:専門用語を並べるのではなく、こちらの状況を理解した上で、分かりやすい言葉で今後の見通しや流れを説明してくれるか。
- 相性・話しやすさ:障害年金の申請は、ご自身のプライベートな情報を伝える必要があります。緊張せずに何でも話せる、信頼できる人柄かどうかも大切なポイントです。
4. 地域密着型の事務所の強み
静岡市や浜松市など、県内に拠点を置く地域密着型の事務所には、地元の医療機関や年金事務所の事情に詳しいという強みがあります。例えば、ハローベル藤ヶ谷社会保険労務士事務所のように、営業地域を静岡県内に絞り、出張面談にも柔軟に対応してくれる事務所は、移動が困難な方にとって非常に心強い存在です。
出典:ハローベル藤ヶ谷社会保険労務士事務所
また、静岡・浜松障害年金相談センター(アイアール障害年金相談センター)のように、浜松駅や静岡駅からアクセスの良い場所に事務所を構え、定期的に無料相談会を開催している事務所もあります。こうした機会を利用して、直接話を聞いてみるのも良いでしょう。
出典:静岡・浜松障害年金相談センター
障害年金申請の具体的な流れと静岡県の相談窓口
最後に、障害年金申請の全体像と、困ったときに頼れる公的な相談窓口について確認しておきましょう。
申請から受給までの6ステップ
社労士に依頼した場合でも、基本的な流れは同じです。事前に流れを把握しておくと、スムーズに準備を進められます。
- 初診日の確認と証明書類の取得:初診の医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼します。
- 保険料納付要件の確認:年金事務所で確認します。
- 診断書の依頼:現在の主治医に、障害年金専用の診断書の作成を依頼します。
- 病歴・就労状況等申立書の作成:発症から現在までの経緯、日常生活や就労の支障について具体的に記述します。
- 年金請求書の作成と提出:すべての書類を揃え、管轄の年金事務所または市区町村役場に提出します。
- 審査と結果通知:日本年金機構で審査が行われます。審査期間は平均して3ヶ月半から5ヶ月程度かかります。支給が決定すると「年金証書」が届き、その後1〜2ヶ月で初回の年金が振り込まれます。
静岡県・浜松市の公的な相談窓口
自力での申請を検討している場合や、まずは話を聞いてみたいという方は、以下の公的機関に相談することができます。相談は無料ですが、予約が必要な場合がほとんどです。
- 年金事務所:障害基礎年金・障害厚生年金の両方について相談・手続きが可能です。静岡県内には静岡、清水、浜松東、浜松西など9つの年金事務所があります。
- 浜松東年金事務所:浜松市中央区天龍川町188
- 浜松西年金事務所:浜松市中央区高町302-1
- 街角の年金相談センター:全国社会保険労務士会連合会が運営を受託しており、年金事務所と同様の相談が可能です。静岡市、浜松市、沼津市に設置されています。
- 市区町村の国民年金担当窓口:障害基礎年金の請求手続きが可能です。浜松市では、各区役所・行政センターの担当課が窓口となります。
どこに相談すべきか迷う場合は、まずはお近くの年金事務所に電話で問い合わせてみるのが確実です。
まとめ:専門家の力を借りて、確実な一歩を
障害年金は、病気やけがと向き合いながら生活していくための大切な権利です。しかし、その手続きは非常に複雑で、専門的な知識がなければ、本来受け取れるはずの年金を受け取れないという事態も起こり得ます。
静岡県、特に浜松市で申請をお考えの方は、まずご自身の状況を整理し、自力で進めるか、専門家である社労士の力を借りるかを検討してみてください。体調に不安があったり、手続きの複雑さに戸惑ったりしている場合は、無理をせず社労士に相談することが、結果的に最も確実で安心な道となるでしょう。
多くの事務所では初回相談を無料で行っています。この記事を参考に、まずは信頼できる専門家を探し、相談することから始めてみてはいかがでしょうか。あなたの権利を実現し、経済的な安心を得て治療に専念できる未来へ、確実な一歩を踏み出しましょう。


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