はじめに:障害者手帳が拓く可能性
障害者手帳は、障害のある方が様々な支援やサービスを受けるために必要な証明書です。しかしその役割は、単なる証明にとどまりません。その根底には、障害の有無にかかわらず誰もが平等に社会に参加できる「共生社会」の実現という理念があります。浜松市では、障害者手帳を持つ方々が安心して地域で生活できるよう、国の制度に加えて市独自の多様な支援策を展開しています。
本記事では、浜松市で障害者手帳を取得する方法から、手帳によって利用可能になる具体的な割引制度、医療費助成、各種福祉サービスまでを網羅的に解説します。ご自身やご家族がどの制度を利用できるのかを知り、豊かな生活を送るための一助となれば幸いです。
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障害者手帳の3つの種類と対象者
障害者手帳は、障害の種類に応じて主に「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3つに分けられます。それぞれ対象となる障害や等級区分が異なり、受けられるサービスも変わります。
身体障害者手帳
身体の機能に永続する一定以上の障害があると認められる方に交付されます。対象となる障害は、視覚、聴覚・平衡機能、音声・言語機能、肢体不自由、心臓や腎臓などの内部障害など多岐にわたります。障害の程度に応じて1級から6級までの等級に区分されます(7級は単独では交付対象外)。
療育手帳
知的障害があると判定された方に交付される手帳です。多くの場合、発達期(おおむね18歳まで)に知的機能の遅れが現れた方が対象となります。浜松市では、障害の程度に応じてA(最重度・重度)とB(中度・軽度)に区分されます。判定は、市の児童相談所または障害者更生相談所で行われます。
精神障害者保健福祉手帳
統合失調症、うつ病、てんかん、発達障害などの精神疾患により、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある方に交付されます。障害の程度に応じて1級から3級までの等級があり、有効期間は2年間で更新手続きが必要です。
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【種類別】浜松市での障害者手帳の申請手続き
障害者手帳の申請は、お住まいの区を担当する福祉事業所(区役所・行政センター内)の社会福祉課が窓口です。手帳の種類によって必要書類や手順が異なるため、事前に確認することが重要です。
申請に必要な共通書類
どの手帳を申請する場合でも、一般的に以下の書類が必要となります。ただし、状況により異なる場合があるため、詳細は申請窓口にご確認ください。
- 写真1枚:タテ4cm×ヨコ3cm、申請前1年以内に撮影した上半身・無帽・無背景のもの。
- マイナンバー(個人番号)が確認できる書類:マイナンバーカード、通知カードなど。
- 身元確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど。
- 印鑑:本人が署名する場合は不要なこともあります。
新型コロナウイルス感染症対策として、一部手続きの郵送申請も受け付けられています。希望する場合は、事前に各福祉事業所へ問い合わせましょう。
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各手帳の申請フローと期間
手帳の種類ごとに、申請から交付までの流れと目安となる期間が異なります。
1. 身体障害者手帳の申請手順
- 診断書の入手:「身体障害者福祉法第15条」の規定に基づく指定医師が作成した診断書・意見書が必要です。用紙は福祉事業所窓口で受け取るか、市のウェブサイトからダウンロードできます。
- 申請書類の提出:必要書類を揃え、お住まいの区の福祉事業所社会福祉課に提出します。
- 審査・交付:提出された診断書をもとに審査が行われ、認定されると手帳交付の通知が届きます。申請から交付までの期間は、おおむね1か月から2か月程度です。
2. 療育手帳の申請手順
- 申請:写真や印鑑などを持参し、福祉事業所社会福祉課に申請します。
- 判定機関での面接:申請後、判定機関(18歳未満は児童相談所、18歳以上は障害者更生相談所)から連絡があり、面接日が調整されます。
- 交付:面接の結果に基づき障害の程度が判定され、手帳が交付されます。面接から交付までの期間は約3週間が目安です。
3. 精神障害者保健福祉手帳の申請手順
- 診断書の準備:精神科の初診日から6か月以上経過した後に、医師に診断書の作成を依頼します。精神障害を理由に障害年金を受給している場合は、年金証書等の写しで診断書を省略できることがあります。
- 申請書類の提出:診断書等の必要書類を揃え、福祉事業所社会福祉課に提出します。
- 審査・交付:審査が行われ、認定されると交付通知が届きます。申請から交付までの期間は1.5か月から2か月程度です。手帳の受け取りは、原則として申請した窓口で行います。
障害者手帳で受けられる主な支援と割引制度
障害者手帳を取得すると、経済的な負担の軽減や社会参加の促進を目的とした、多岐にわたる支援や割引サービスを利用できます。
経済的支援:手当・税金・公共料金
日常生活にかかる費用負担を軽減するための制度が充実しています。
- 各種手当の支給:在宅の重度障害者には「特別障害者手当」、20歳未満の重度障害児には「障害児福祉手当」、浜松市独自の「在宅重度障害者手当」などが所得に応じて支給されます。
- 税金の控除・減免:本人または扶養者が障害者である場合、所得税や住民税の「障害者控除」が受けられます。また、手帳の等級や使用状況により自動車税・軽自動車税の減免も受けられます。
- 公共料金の割引:NHK放送受信料の減免や、各携帯電話会社の基本使用料割引などがあります。
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医療費の助成
浜松市では、医療機関での自己負担額を軽減する「重度心身障害者(児)医療費助成制度」があります。この制度を利用すると、保険診療にかかる医療費の自己負担分が助成されます(一部自己負担あり)。
【助成対象者】
・身体障害者手帳1級・2級・3級の所持者
・療育手帳A・Bの所持者
・精神障害者保健福祉手帳1級の所持者
※所得制限があります。利用には事前に「重度心身障害者医療費受給者証」の交付が必要です。
また、精神科への通院医療費の自己負担を軽減する「自立支援医療(精神通院)」制度は、精神障害者保健福祉手帳と同時に申請することができます。
交通機関の割引
社会参加を促進するため、公共交通機関の運賃割引が受けられます。割引率は交通機関や手帳の種類・等級によって異なります。
以下は主な交通機関の割引内容です。
| 交通機関 | 主な割引内容(本人) | 介護者 |
|---|---|---|
| JR東海 | 普通乗車券5割引(第2種は片道101km以上の場合のみ) | 第1種の方の介護者1名も5割引 |
| 遠州鉄道(電車) | 普通乗車券・定期券5割引 | 第1種・精神1級の方の介護者1名も5割引 |
| 遠州鉄道バス | 普通運賃5割引、定期券3割引 | 第1種・精神1級の方の介護者1名も5割引 |
| 天竜浜名湖鉄道 | 普通乗車券5割引 | 第1種・精神1級の方の介護者1名も5割引 |
| 有料道路 | 通行料金5割引(要事前登録) | – |
注意点:JRの割引適用には、手帳に「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄に第1種または第2種の記載が必要です。2025年4月1日からは精神障害者保健福祉手帳もJRの割引対象となりますが、同様に事前の手続きが必要です。
公共・レジャー施設の利用料減免
浜松市内外の多くの施設で、障害者手帳を提示することにより入場料などが減免されます。本人だけでなく、介護者1名まで無料または割引になる施設も多数あります。
【入場料等が無料になる主な施設】
- 浜松城
- 浜松市動物園
- 浜松市楽器博物館
- 浜松科学館(みらいーら)
- 浜松市美術館
- はままつフラワーパーク
【入場料等が割引になる主な施設】
- 竜ヶ岩洞:本人700円(通常1,000円)
- 映画館(例:TOHOシネマズ):本人・付き添い1名まで各1,000円
上記は一例です。利用前に各施設に直接問い合わせるか、公式ウェブサイトで確認することをお勧めします。また、スマートフォンアプリ「ミライロID」も利用可能な施設が増えています。
就労支援サービス
障害の特性に配慮した働き方を見つけるための道も拓けます。
- 障害者雇用枠での就労:一般の求人に加え、障害者手帳を持つ人を対象とした「障害者雇用枠」に応募できます。企業側には合理的配慮の提供が義務付けられており、安定して働きやすい環境が期待できます。
- 障害福祉サービスの利用:一般企業への就職を目指す訓練を行う「就労移行支援」や、支援を受けながら働く「就労継続支援(A型・B型)」といった福祉サービスを利用しやすくなります。
各種手続きと相談窓口
手帳の取得後も、生活の変化に応じて様々な手続きが必要になります。また、どのサービスを利用すればよいか分からない場合も、専門の相談窓口がサポートしてくれます。
新規申請以外の主な手続き
以下のような場合にも、福祉事業所での手続きが必要です。
- 等級の変更・障害名の追加:障害の程度が変わったとき、別の障害が発生したとき。
- 記載事項の変更:市内の住所変更、氏名の変更など。
- 再交付:手帳を紛失・破損したとき。
- 返還:死亡した場合や、障害の認定基準に該当しなくなった場合。
浜松市の主な相談窓口
障害福祉に関する最初の相談先として、以下の窓口があります。2024年1月より、浜松市は中央区・浜名区・天竜区の3区に再編されています。
- 各区役所の福祉事業所(社会福祉課):手帳の申請・更新、各種手当や助成制度の申請など、行政手続きの総合窓口です。
- 相談支援事業所:障害福祉サービスの利用を希望する際に、「サービス等利用計画」の作成をサポートしてくれる専門機関です。利用者の希望を聞き取り、最適なサービスの組み合わせを提案してくれます。
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福祉サービス利用までの基本的な流れ
就労支援や生活介護などの障害福祉サービスを利用する場合、一般的に以下のようなステップを踏みます。
- 相談:区役所の福祉課や相談支援事業所に、困りごとや利用したいサービスについて相談します。
- 申請:サービスの利用を希望する場合、区役所の窓口で申請手続きを行います。
- 認定調査:必要に応じて、市の職員などが訪問し、心身の状況や生活環境についての聞き取り調査が行われます。
- サービス等利用計画案の作成:相談支援事業所が、本人や家族の意向を踏まえてサービスの利用計画案を作成します。
- 支給決定:市が障害支援区分や計画案を基に、利用できるサービスの種類と量を決定し、「障害福祉サービス受給者証」を交付します。
- 契約・利用開始:利用したいサービス提供事業者と契約を結び、サービスの利用を開始します。
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まとめ:制度を賢く活用し、豊かな暮らしへ
浜松市には、障害のある方々の経済的負担を軽減し、社会参加を促進するための手厚い割引制度や福祉サービスが整っています。公共交通機関の割引から施設の利用料減免、医療費助成、さらには就労や住まいの支援まで、その内容は多岐にわたります。
【本記事のポイント】
- 障害者手帳には「身体」「療育」「精神」の3種類があり、対象や等級が異なる。
- 申請窓口は各区の福祉事業所社会福祉課。種類によって必要書類や手順が違うため、事前の確認が重要。
- 手帳を持つことで、医療費助成、税金の軽減、交通機関や施設の割引、就労支援など、多くのメリットがある。
- 支援の多くは申請が必要。不明な点は、ためらわずに区役所や相談支援事業所に相談することが第一歩。
これらの制度を最大限に活用するためには、まずご自身の状況に合った障害者手帳を取得し、利用できる制度について正しく知ることが不可欠です。この記事で紹介した情報をきっかけに、ぜひ一歩踏み出して、お近くの窓口に相談してみてください。制度を賢く活用することで、浜松市での生活がより安心で豊かなものになることを願っています。
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