病気やけがによって生活や仕事に支障が出たとき、経済的な支えとなるのが「障害年金」です。しかし、その制度は複雑で、申請手続きも煩雑なため、「自分は対象になるのか」「どうやって手続きを進めればいいのか」と悩んでいる方は少なくありません。特に静岡県や浜松市にお住まいで、どこに相談すれば良いか分からず、一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、静岡県、特に浜松市における障害年金の相談窓口について、公的機関から民間の専門家までを網羅的に解説します。具体的な受給事例も交えながら、あなたが最適な相談先を見つけ、次の一歩を踏み出すための情報を提供します。
障害年金とは? – 制度の基本を理解する
障害年金は、公的年金制度の一部であり、病気やけがによって法律で定められた障害の状態になった場合に支給される年金です。現役世代の方でも受け取れる可能性があり、生活を支える重要なセーフティネットです。
障害年金の種類
障害年金には、初診日に加入していた年金制度によって、主に2つの種類があります。
- 障害基礎年金:初診日に国民年金に加入していた方(自営業者、学生、無職の方、または厚生年金加入者の配偶者など)が対象です。障害の程度に応じて1級と2級があります。
- 障害厚生年金:初診日に厚生年金に加入していた方(会社員や公務員など)が対象です。障害の程度に応じて1級から3級まであり、3級より軽い障害が残った場合には、一時金として障害手当金が支給されることもあります。
受給のための3つの基本要件
障害年金を受給するためには、原則として以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 初診日要件:障害の原因となった病気やけがで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)が、年金加入期間中にあること。20歳前や60歳以上65歳未満(国内在住)の場合も対象となることがあります。
- 保険料納付要件:初診日の前々月までの公的年金の加入期間のうち、3分の2以上の期間で保険料が納付または免除されていること。特例として、初診日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことでも認められます。
- 障害状態要件:障害認定日(初診日から1年6ヶ月が経過した日、または症状が固定した日)において、国が定める障害等級に該当する程度の障害状態にあること。
これらの要件は判断が難しく、特に初診日の証明や保険料納付要件の確認は複雑な場合があります。少しでも可能性があると感じたら、専門の窓口に相談することが重要です。
静岡県・浜松市の公的な相談窓口
障害年金に関する相談は、まず国の機関である日本年金機構の窓口で行うのが基本です。静岡県内、特に浜松市には以下の相談窓口が設置されています。
年金事務所
年金に関するあらゆる手続きや相談に対応する中心的な拠点です。浜松市には2つの年金事務所があります。
| 名称 | 所在地 | 管轄区域(浜松市内) | アクセス |
|---|---|---|---|
| 浜松東年金事務所 | 浜松市中央区天龍川町188 | 中央区(旧東区、旧南区)、天竜区など | JR「天竜川駅」から徒歩5分 |
| 浜松西年金事務所 | 浜松市中央区中央1-12-4 浜松合同庁舎内 | 中央区(旧中区、旧西区、旧北区)、浜名区など | JR「浜松駅」からバスで約15分 |
年金事務所での相談は予約制が推奨されています。事前に予約することで、待ち時間を短縮し、スムーズに相談できます。
街角の年金相談センター
年金事務所よりもアクセスしやすい場所に設置されており、主に年金の受け取りに関する相談や手続きが可能です。浜松市と静岡市に設置されています。
- 街角の年金相談センター浜松(オフィス)
所在地:浜松市中央区西塚町200 サーラプラザ浜松5階
※国民年金の加入や納付に関する手続きは年金事務所での対応となります。 - 街角の年金相談センター静岡
所在地:静岡市駿河区南町18-1 サウスポット静岡2階
※JR静岡駅南口から徒歩1分とアクセスが便利です。
電話での相談・予約
窓口に行く前に、まずは電話で一般的な質問をすることも可能です。
- ねんきんダイヤル (0570-05-1165):年金に関する一般的な問い合わせに対応しています。
- 予約受付専用電話 (0570-05-4890):年金事務所や街角の年金相談センターへの来訪相談予約ができます。
公的機関は無料で相談できる安心感がありますが、窓口が混雑していたり、あくまで事務的な手続きの案内に留まるケースもあります。申請書類の書き方一つで結果が変わることもあるため、より踏み込んだサポートが必要な場合は、次の選択肢を検討すると良いでしょう。
専門家(社会保険労務士)への相談という選択肢
障害年金の申請は非常に専門性が高く、書類の不備や内容の不足で不支給となるケースも少なくありません。そこで頼りになるのが、年金の専門家である社会保険労務士(社労士)です。静岡県内、特に浜松市周辺には、障害年金を専門に扱う社労士事務所が複数存在します。
社労士に依頼するメリット
専門家に依頼することで、以下のような多くのメリットが期待できます。
- 受給可能性の正確な判断:豊富な経験に基づき、受給の可能性を的確に判断してくれます。
- 煩雑な手続きの代行:初診日証明の取得、医師への診断書作成依頼、病歴・就労状況等申立書の作成など、複雑な手続きを代行してもらえます。
- 審査通過のノウハウ:審査官に障害の状態が正しく伝わる、説得力のある書類を作成するノウハウを持っています。
- 精神的・身体的負担の軽減:複雑な手続きから解放され、治療や療養に専念できます。
多くの事務所では、相談料無料、着手金無料で、年金が支給された場合にのみ費用が発生する「成功報酬制」を採用しており、安心して相談できます。
静岡・浜松エリアの主要な障害年金相談センター
静岡県、特に浜松市やその周辺で活動する、障害年金に特化した相談センター(社労士事務所)の一部をご紹介します。
| 相談センター名 | 運営母体・代表 | 拠点(静岡・浜松) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 静岡・浜松障害年金相談センター | アイアール社会保険労務士法人 (榊原 仁美氏) |
静岡市葵区、浜松市中央区 | 相談実績5,800件以上。相談料・着手金0円の完全成功報酬制。県内各所で定期的に無料相談会を開催。 |
| 浜松障害年金サポートセンター | シロキ社会保険労務士法人 (高須 久二子氏) |
浜松市中央区 | 相談実績500件以上。女性社労士が対応。浜松市を中心に県内全域への出張相談も実施。 |
| SR障害年金サポートセンター浜松 | – | 浜松市西区(当時) | 男女の年金専門家2名体制。出張相談無料。365日24時間受付を標榜。 |
※上記は一例です。各事務所のサービス内容や料金体系は、公式サイトで最新情報をご確認ください。
定期的に開催される無料相談会
社労士事務所や社会保険労務士会は、県内各地で無料の相談会を定期的に開催しています。これは、専門家に直接会って話を聞ける貴重な機会です。
- 社労士事務所主催の相談会:静岡・浜松障害年金センターは、浜松、静岡、沼津などで定期的に相談会を実施しています。2026年1月も浜松、静岡、沼津での開催が予定されています。
- 静岡県社会保険労務士会による相談会:病院内で無料相談会を実施しており、浜松医科大学医学部附属病院でも定期的に開催されています。直近では令和8年(2026年)1月9日(金)に予定されています。
【浜松市の事例紹介】障害年金受給のケーススタディ
実際にどのような方が障害年金を受給できているのか、浜松市に関連する事例を見ることで、ご自身の状況と照らし合わせることができます。
静岡・浜松エリアの障害年金受給事例に見る傷病の傾向
静岡・浜松エリアの専門機関が公開している受給事例を分析すると、特定の傷病に関する相談が多い傾向が見られます。特に、うつ病や統合失調症といった精神障害に関するものが大半を占めています。次いで、発達障害や知的障害、そして関節リウマチや人工関節などの肢体の障害、がんや糖尿病といった内部障害が続きます。
一般的に障害年金の対象となりにくいと思われがちな病名でも、症状や日常生活への支障度合いによっては、受給につながる可能性があることがわかります。
具体的な受給事例
以下に、浜松市の相談センターが公開している事例をいくつかご紹介します。
事例1:うつ病で障害厚生年金3級を受給したケース(浜松市・50代女性)
ご自身で年金事務所に相談した際、職員の威圧的な態度に自信をなくし、専門家へ相談。介護職のストレスから抑うつ状態となり、仕事を続けられなくなった。社労士が日常生活や就労の困難さを具体的に申立書にまとめた結果、障害厚生年金3級の受給が決定した。
出典:浜松障害年金サポートセンター
事例2:統合失調症で障害基礎年金2級を受給したケース(浜松市・60代男性)
若い頃に発症後、長年ひきこもり生活を送っていた。母親の介護ができなくなったことで状態が悪化。行政のサポートは受けていたが、生活は困窮していた。社労士がこれまでの経緯を丁寧にヒアリングし、日常生活の支障を具体的に申し立てた結果、障害基礎年金2級の受給につながった。
出典:浜松障害年金サポートセンター
事例3:【就労中】知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース(浜松市)
障害者雇用で就労中の方からの相談。就労していると障害年金はもらえないと思い込んでいる方も多いですが、仕事内容や職場での配慮、日常生活の状況などを総合的に判断されます。このケースでは、専門家が就労状況と生活実態を的確に伝えることで、就労中であっても障害基礎年金2級の受給が認められました。
出典:静岡・浜松障害年金相談センター
これらの事例から、「一度断られた」「働いているから無理だ」と諦める前に、専門家に相談する価値があることがわかります。
相談前に準備すべきことと相談の流れ
相談をよりスムーズに進めるために、事前に準備しておくと良いことや、一般的な相談の流れを把握しておきましょう。
相談前に準備しておくと良いもの
必須ではありませんが、以下のものがあると相談がスムーズに進みます。
- 年金手帳または基礎年金番号通知書:基礎年金番号がわかるもの。
- これまでの病歴をまとめたメモ:いつ頃からどのような症状が出たか、初めて病院に行った日、通院歴など。
- お薬手帳、診察券:通院している医療機関がわかります。
- 障害者手帳(お持ちの場合):障害の等級や種類がわかります。
専門家への相談から受給までの一般的な流れ
- 無料相談の予約:電話やメールで相談日時を予約します。
- ヒアリング:社労士が病歴、職歴、日常生活の状況などを詳しく聞き取ります。
- 受給可能性と方針の説明:ヒアリング内容に基づき、受給の可能性や今後の手続きの流れ、費用について説明を受けます。
- 契約:説明に納得できれば、委任契約を結びます。
- 手続き代行:社労士が必要書類の収集、作成、年金事務所への提出を代行します。
- 結果の通知:申請から数ヶ月後、日本年金機構から結果が通知されます。
多くの事務所がこのプロセスを丁寧にサポートしてくれます。
まとめ:諦めずに、まずは相談の一歩を
障害年金は、病気やけがと向き合いながら生活していくための大切な権利です。しかし、制度の複雑さから申請をためらったり、諦めてしまったりする方が後を絶ちません。
静岡県、特に浜松市には、年金事務所のような公的な窓口から、障害年金専門の社会保険労務士まで、頼れる相談先が数多く存在します。公的窓口で基本的な情報を得ること、そして専門家の力を借りて申請の可能性を最大限に高めること、どちらも有効な選択肢です。
重要なのは、一人で抱え込まずに、まずは専門の窓口にアクセスしてみることです。この記事で紹介した情報を参考に、あなたに合った相談先を見つけ、経済的な不安を少しでも和らげるための一歩を踏み出してください。


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