はじめに – 多様化する障害者支援施設と「自分らしい暮らし」の実現
「障害のある家族のために、どんな施設があるのだろう?」「自分に合った働き方や暮らし方を見つけたいけれど、どこに相談すればいいのか分からない…」。静岡県内、特に浜松市で障害者支援に関する情報を探している方やそのご家族は、こうした切実な疑問や不安を抱えているかもしれません。情報が多岐にわたり、制度が複雑に見える中で、最初の一歩を踏み出すことは決して簡単なことではありません。
かつて「障害者施設」と聞くと、大規模な入所施設をイメージする方が多かったかもしれません。しかし、2013年に施行された「障害者総合支援法」の下で、日本の障害者福祉は大きな転換期を迎えました。この法律の基本理念は、障害のある人がその人らしく、地域社会の一員として暮らしていくことを最大限に支援することにあります。その結果、従来の「入所」という選択肢だけでなく、「通所」して日中の活動を行う施設、一般企業への就職を目指すための訓練を行う事業所、地域のアパートや一軒家で支援を受けながら共同生活を送る「グループホーム」など、サービスは驚くほど多様化しました。
この変化は、障害のある方一人ひとりの意思やニーズ、ライフステージに合わせて、「住まい」「日中活動」「働く」「相談する」といった様々な要素を柔軟に組み合わせ、オーダーメイドの「自分らしい暮らし」を設計できるようになったことを意味します。しかし、選択肢が増えたからこそ、「自分や家族にとって最適なサービスは何か」を見極めることが、新たな課題となっています。
本記事は、そうした課題を解決するための一助となることを目指しています。静岡県内、特に政令指定都市として独自の福祉サービスを展開する浜松市の具体的な事例を豊富に交えながら、障害者支援施設の種類から探し方、そして実際の施設の様子までを体系的に解説します。この記事を読み終える頃には、複雑に見えた障害福祉サービスの世界がより明確になり、あなたやあなたの大切な人が「自分らしい暮らし」を実現するための、確かな道筋が見えてくるはずです。さあ、一緒にその第一歩を踏み出しましょう。
第1部:障害者支援施設とは? – サービスの基本を理解しよう
障害者支援施設や事業所が提供するサービスは、「障害者総合支援法」という法律に基づいて体系化されています。一見すると複雑に感じられるかもしれませんが、その目的を「日中活動」「働く」「住まい」「相談」といった大きなカテゴリーに分けて捉えることで、全体像を理解しやすくなります。ここでは、まずその基本的な分類と、代表的なサービスの内容について解説します。
障害者支援施設の大きな分類
障害福祉サービスは、個々のニーズに応じて提供される「介護給付」と、地域生活への移行や就労を支援する「訓練等給付」に大別されます。これらは、利用者の生活シーンに合わせて、以下のような目的別の「場」として機能しています。
1. 日中活動の場:
主に昼間の時間帯に、生活能力の維持・向上や社会参加を目的とした活動を行う場所です。常に介護が必要な方から、自立に向けた訓練を必要とする方まで、幅広いニーズに対応します。代表的なサービスには「生活介護」や「自立訓練(機能訓練・生活訓練)」があります。
2. 働く場:
就労を希望する障害のある方に対し、その能力や適性に応じた機会を提供する場所です。一般企業への就職を目指す「就労移行支援」や、事業所内で雇用契約を結んで働く「就労継続支援A型」、より柔軟なペースで生産活動を行う「就労継続支援B型」などがあります。就職後の定着を支援する「就労定着支援」も重要な役割を担っています。
3. 住まいの場:
地域での生活を営むための居住空間と、それに伴う支援を提供する場所です。夜間や休日に介護を提供する「施設入所支援」のほか、近年では地域社会に溶け込んだアパートや一軒家で共同生活を送る「共同生活援助(グループホーム)」が主流となりつつあります。
4. 相談の場:
福祉サービスを利用する上で不可欠な、総合的な相談窓口です。どのようなサービスを、どのくらい利用するかを一緒に考える「計画相談支援」や、施設や病院から地域生活へ移行する際のを支援する「地域移行支援」、地域での一人暮らしを支える「地域定着支援」など、利用者のライフプランに寄り添う重要な役割を担います。
これらのサービスは単独で利用するだけでなく、例えば「平日の昼間は就労継続支援B型の事業所に通い、夜間や休日はグループホームで暮らす」というように、複数を組み合わせて利用することが可能です。この組み合わせを考える手助けをしてくれるのが、まさに「相談の場」の専門員なのです。
主要なサービス内容の解説
ここでは、特に利用されることの多い主要なサービスについて、厚生労働省の定義を基に、その内容を分かりやすく解説します。
- 施設入所支援(住まいの場)
施設に入所する人に対して、主に夜間や休日に、入浴、排せつ、食事などの介護や、生活に関する相談・助言を行います。日中は生活介護や就労継続支援などの日中活動サービスを利用することが一般的です。 - 生活介護(日中活動の場)
常に介護を必要とする人(障害支援区分3以上、50歳以上は区分2以上)に対して、主に昼間に、入浴、排せつ、食事などの介護を行うとともに、創作的活動や生産活動の機会を提供します。身体機能や生活能力の向上のために必要な援助を行います。 - 就労継続支援A型(働く場・雇用型)
一般企業での就労が困難なものの、適切な支援があれば雇用契約に基づいて就労が可能な方に対し、生産活動の機会を提供します。利用者は事業所と雇用契約を結び、最低賃金が保障された給与を受け取ります。 - 就労継続支援B型(働く場・非雇用型)
年齢や心身の状態から、雇用契約を結んで働くことが困難な方に対し、就労や生産活動の機会を提供します。比較的柔軟なペースで働くことができ、生産活動に対する対価として「工賃」が支払われます。 - 共同生活援助(グループホーム)(住まいの場)
地域社会の中にあるアパートや一軒家などで、数人の仲間と共に共同生活を送る場所です。世話人や生活支援員から、食事の準備や金銭管理、健康面に関する相談など、日常生活上の支援を受けながら、自立した生活を目指します。 - 地域活動支援センター(日中活動の場・居場所)
障害のある方が地域で気軽に集える「居場所」です。創作活動やレクリエーション、仲間づくりなどを通じて、社会との交流を促進します。障害者総合支援法に基づく必須のサービスではありませんが、多くの市町村で重要な役割を果たしています。
これらのサービス内容を理解することは、自分や家族に合った支援を見つけるための第一歩です。次の第2部では、これらのサービスを実際に浜松市でどのように探し、利用していくのか、具体的なステップと施設例を挙げて詳しく見ていきます。
第2部:【核心】浜松市における障害者支援施設の探し方と具体的な施設例
サービスの基本を理解したところで、次はいよいよ実践編です。ここでは、静岡県の中でも特に多くの施設や事業所が集まる浜松市をモデルケースとして、実際に自分に合った支援を探すための具体的なステップと、目的別の代表的な施設を紹介します。このセクションは、本記事で最も重要なパートです。
ステップ1:まずは相談から!浜松市の相談窓口
「どのサービスが自分に合っているのか分からない」「手続きが難しそう」――。そんな時、一人で悩む必要はありません。浜松市には、障害のある方やそのご家族からの相談に応じ、サービス利用の計画作成から手続きまでをトータルでサポートしてくれる専門の相談窓口が整備されています。それが「浜松市障がい者相談支援センター」です。
このセンターは、最初の相談先として最適な場所です。専門の知識を持った「相談支援専門員」が、一人ひとりの状況や希望を丁寧にヒアリングし、利用できるサービスの種類や事業所の情報を提供してくれます。さらに、サービスの利用に必要となる「サービス等利用計画(ケアプラン)」の作成も手伝ってくれます。この計画書があることで、市役所での手続きがスムーズに進み、希望する事業所との契約へと繋がっていきます。
浜松市では、市民が身近な地域で相談できるよう、お住まいのエリア(旧行政区)ごとに担当の相談支援センターが設置されています。まずは、ご自身の地区を担当するセンターに電話で問い合わせてみることから始めましょう。
浜松市障がい者相談支援センター一覧(2025年3月1日時点の情報に基づく)
以下は、浜松市の情報サイトや市の公式情報を基にした相談窓口の一覧です。連絡先は変更される可能性があるため、最新の情報は浜松市の公式サイトでご確認ください。
| 担当圏域(旧行政区) | センター名 | 所在地 | 電話番号 | 主な運営法人 |
|---|---|---|---|---|
| 旧中区・旧北区(三方原地区) | 浜松市中障がい者相談支援センター | 中央区和合町555 | 053-488-8077 | 社会福祉法人聖隷福祉事業団 等 |
| 旧東区 | 浜松市東障がい者相談支援センター | 中央区流通元町20-3 | 053-424-0371 | 社会福祉法人天竜厚生会 等 |
| 旧西区 | 浜松市西障がい者相談支援センター | 中央区雄踏一丁目31-1 | 053-597-1124 | 社会福祉法人新和会 等 |
| 旧南区 | 浜松市南障がい者相談支援センター | 中央区江之島町600-1 | 053-401-6881 | 社会福祉法人遠浜会 等 |
| 旧浜北区 | 浜松市浜北障がい者相談支援センター | 浜名区平口1604-1 | 053-587-1010 | 社会福祉法人みどりの樹 等 |
| 旧北区(三方原地区を除く) | 浜松市北障がい者相談支援センター | 浜名区細江町気賀305 | 053-523-2255 | 社会福祉法人聖隷福祉事業団 等 |
| 天竜区 | 浜松市天竜障がい者相談支援センター | 天竜区二俣町二俣530-18 | 053-589-5580 | 社会福祉法人天竜厚生会 等 |
これらのセンターは、複数の法人が共同で運営しており、それぞれの専門性を活かした支援体制を構築しています。例えば、旧中区を担当するセンターは、医療・福祉で長い歴史を持つ聖隷福祉事業団が中心となっており、医療的なケアが必要な方の相談にも強いといった特徴があります。まずは気軽に電話をかけ、「障害福祉サービスの利用について相談したい」と伝えることから始めてみてください。
ステップ2:【目的別】浜松市の代表的な障害者支援施設
相談窓口で大まかな方向性が見えたら、次は具体的な施設や事業所を検討する段階に入ります。浜松市内には、多種多様なニーズに応える数多くの事業所が存在します。ここでは、前述した「目的」別に、いくつかの代表的な施設をケーススタディとして詳しく紹介します。施設の雰囲気やサービスの特色を知ることで、より具体的に自分の希望をイメージできるようになるでしょう。
ケーススタディ1:常時介護と日中活動の場(施設入所支援・生活介護)「障害者支援施設みるとす」(社会福祉法人 聖隷福祉事業団)
「みるとす」は、浜松市中央区和合町にある、社会福祉法人聖隷福祉事業団が運営する障害者支援施設です。主に身体に障害があり、常時介護を必要とする方が、家庭的な雰囲気の中で安心して生活できるよう、施設入所支援(夜間・休日)と生活介護(日中)のサービスを一体的に提供しています。
施設の特色:
施設の重要事項説明書によると、「みるとす」のサービスには以下のような特徴があります。
- 居住環境:定員20名に対し、居室はすべてプライバシーに配慮された個室(14.91~21.54㎡)です。これにより、集団生活の中にも個人の空間と時間を確保できます。
- 食事:栄養士の管理の下、栄養バランスはもちろん、利用者の身体状況や好みに配慮した食事が提供されます。朝・昼・夕の決められた時間に、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で提供され、できるだけ食堂で他の利用者と一緒に食事をとることを推奨しています。
- 入浴:週2回の入浴が基本です。身体の状況に合わせて、特殊浴槽3台を含む設備を利用し、安全かつ快適な入浴を支援します。自立支援の観点から、可能な限り自分で体を洗うことなども促されます。
- 健康管理と医療連携:看護職員が常駐し、日々の健康管理や服薬支援を行います。また、週2回、協力医療機関である「あつみ神経内科クリニック」の医師による診察が施設内で行われます。緊急時や専門的な治療が必要な場合には、隣接する総合病院「聖隷浜松病院」と密に連携しており、迅速な対応が可能です。
- リハビリテーション:理学療法士や作業療法士が配置されており、利用者の希望や心身の状態に合わせて、機能の維持・向上を目指した訓練を行います。
- 社会生活上の便宜:施設での生活がより豊かなものになるよう、ドライブや映画鑑賞、誕生日会といったレクリエーション行事が企画・実施されます。これにより、生活に楽しみや季節感をもたらし、利用者同士の交流を深めます。
「みるとす」は、手厚い介護と医療連携体制を基盤としながらも、個人の尊厳と「その人らしい生活」を重視した支援を行っている施設の一例です。常時介護が必要な方にとって、安心して日々の生活を送り、社会的な活動にも参加できる環境が整えられています。
ケーススタディ2:働く喜びとスキルアップの場(就労継続支援)「第2くるみ作業所」(社会福祉法人 復泉会)
「第2くるみ作業所」は、浜松市中央区和合町にある、社会福祉法人復泉会が運営する就労継続支援B型事業所です。主に知的障害のある方を対象に、働くことを通じて社会参加し、経済的な自立を目指すための支援を行っています。
施設の特色:
B型事業所は、利用者と雇用契約を結ばないため、一人ひとりの体調や能力に合わせて、比較的柔軟なペースで働くことができるのが特徴です。
- 活動内容:施設の紹介ページによると、創設以来、下請けの軽作業(部品の組み立てなど)と印刷が活動の中心でした。浜松市は自動車や楽器産業が盛んな地域であり、地元の企業から受注した仕事が、利用者の貴重な働く機会となっていました。リーマン・ショック以降、経済状況の変化に対応しながら、現在も地域に根差した生産活動を続けています。
- 活動時間:関連情報によると、基本的な活動時間は平日の9:00から16:00までです。週5日通う人もいれば、体調に合わせて週2〜3日から始める人もいます。利用者は、この活動を通じて得られた収益から「工賃」を受け取ります。
- 運営法人:運営母体である社会福祉法人復泉会は、1999年に設立され、「くるみ共同作業所」など複数の事業所を運営しています。「利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、就労の機会を提供するとともに、生産活動を通じてその知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う」ことを理念としています。
「第2くるみ作業所」のような就労継続支援事業所は、単に作業をする場所ではありません。仲間と共に働き、目標を達成する喜びを感じ、工賃を得て経済的に自立していくという、社会の一員として生きる上で非常に重要な経験を積むことができる場所なのです。
ケーススタディ3:地域での居場所と仲間づくりの場(地域活動支援センター)「はまきた地域活動支援センター」(社会福祉法人 みどりの樹)
「地域活動支援センター」は、障害のある方が自宅から気軽に通い、日中の時間を過ごすことができる「地域の居場所」です。浜名区東美薗にある「はまきた地域活動支援センター」は、社会福祉法人みどりの樹が運営しており、その代表的な例の一つです。
施設の特色:
このセンターの目的は、施設の案内によると、「それぞれの想いをもって日々の生活をより『楽しく』感じられるような場所」を目指すことにあります。就労や生産活動を主目的とするのではなく、生活に潤いをもたらすための様々なプログラムが用意されています。
- 余暇支援活動:土曜日や日曜日にも月1〜2回程度の活動日があり、平日は仕事をしている方でも参加しやすくなっています。活動内容は毎月変わり、ボーリングや外食、市内の様々な場所へのお出かけなど、利用者が楽しめる企画が中心です。これらの活動を通じて、社会経験を広げ、仲間との交流を深めます。
- 仲間づくりの場:「家から外に出るきっかけにする場」「仲間づくりをする場」としての役割が強調されています。同じような悩みや関心を持つ仲間と出会い、語り合うことで、孤立感を解消し、地域社会とのつながりを再構築する手助けをします。
- 送迎サービス:希望者には送迎サービスも提供されており(片道50円、往復100円)、公共交通機関の利用が難しい方でも安心して通うことができます。
浜松市内には、他にも多様な地域活動支援センターがあります。例えば、主に精神に障害のある方を対象とし、創作活動や生産活動の機会を提供する「だんだん」(医療法人社団至空会)や「ナルド」(社会福祉法人聖隷福祉事業団)、身体障害のある方を対象とする「地域生活支援センターオルゴール」(浜松市運営)など、対象者や活動内容によって特色があります。これらのセンターは、日々の生活における大切な「サードプレイス」として、多くの人々の暮らしを支えています。
浜松市の主要な社会福祉法人
浜松市における障害者福祉を理解する上で、市内で多岐にわたるサービスを総合的に提供している大規模な社会福祉法人の存在を知ることは非常に重要です。これらの法人は、入所施設からグループホーム、通所事業所、相談支援まで、多様なサービスをネットワークとして展開しており、利用者のライフステージの変化に合わせた切れ目のない支援を提供しています。
浜松市で障害福祉サービスを広域に展開する主な法人
- 社会福祉法人 聖隷福祉事業団
浜松市を拠点に、医療・保健・福祉の分野で全国的に事業を展開する日本最大級の社会福祉法人です。障害者福祉分野においても、本記事で紹介した「みるとす」や「ナルド」のほか、入所施設の「聖隷厚生園」、多数のグループホームや相談支援事業所を運営し、市内の障害者支援において中核的な役割を担っています。 - 社会福祉法人 天竜厚生会
天竜区や浜名区を中心に、高齢者、障害者、児童まで、幅広い世代を対象とした福祉サービスを地域に密着して展開しています。入所施設の「厚生寮」「あかいし学園」や、多くの通所施設、グループホームを運営しており、特に県西部の中山間地域における福祉インフラを支える重要な存在です。 - 社会福祉法人 小羊学園
主に知的障害のある方を対象に、児童から成人まで一貫した支援を提供している法人です。児童発達支援から放課後等デイサービス、生活介護、グループホームまで、利用者の成長に合わせたサービスを展開しています。「三方原スクエア」や「支援センターわかぎ」などの施設を運営しています。 - 社会福祉法人 昴会(すばるかい)
中央区(旧西区)を拠点に、「居住支援」「日中活動支援」「相談支援」の3つを柱として事業を展開しています。生活介護事業所「四季の郷」などを運営し、地域に根差したきめ細やかな支援を行っています。
これらの法人以外にも、特定の障害種別(精神障害、発達障害など)やサービスに特化した専門性の高いNPO法人や株式会社が数多く活動しています。詳細な事業所の一覧は、浜松市の公式サイトでサービス種別ごとにPDF形式で公開されており、常に最新の情報を確認することができます。
第3部:静岡県全体の障害者福祉情報
ここまで浜松市の事例を中心に詳しく見てきましたが、静岡県全体の視点を持つことで、さらに広い選択肢や支援の動向を把握することができます。ここでは、浜松市から視野を広げ、静岡市を含む県全体の情報源や、福祉業界を支える人材に関する動きについて紹介します。
静岡市やその他の地域の情報源
浜松市と同様に、政令指定都市である静岡市も独自の障害福祉施策を展開しています。静岡市内で施設や事業所を探している場合は、静岡市の公式ウェブサイトで公開されている事業所一覧が最も信頼できる情報源となります。こちらには、サービス種別ごとに整理された詳細なリストが掲載されています。
さらに、静岡県全体を網羅する包括的な情報を探す際に、最も重要なのが静岡県庁の公式ウェブサイトです。県は、県内すべての市町(政令指定都市である静岡市・浜松市を含む)の障害福祉サービス事業所の一覧を定期的に更新し、公開しています。これは、県境に近い地域にお住まいの方や、特定の専門的なサービスを県内で広く探したい場合に非常に役立ちます。
静岡県公式ホームページ「障害福祉サービス事業等を行う事業者について」
このページでは、「障害福祉サービス等を行う事業所一覧表」が公開されており、最新のデータ(例:令和7年4月1日現在)をダウンロードすることができます。また、廃止された事業所の一覧も掲載されており、情報の正確性を保つ上で重要です。
静岡県公式ウェブサイトへ
このように、まずは身近な市町村の情報を確認し、必要に応じて県の広域的な情報へとアクセスしていくのが効率的な探し方と言えるでしょう。
福祉を支える人材の動き
質の高い福祉サービスは、それを支える専門的な人材がいてこそ成り立ちます。利用者の視点だけでなく、福祉業界全体の人材確保や育成の動向を知ることは、その地域の福祉の「質」や「未来」を測る上での一つの指標となります。静岡県では、「社会福祉法人 静岡県社会福祉協議会」内に設置された「静岡県社会福祉人材センター」が、その中心的な役割を担っています。
このセンターは、福祉の仕事に関心のある人と、人材を求める施設・事業所とを繋ぐための様々な取り組みを行っています。
県の事業報告書によると、以下のような活動が積極的に行われています。
- 福祉・保育のお仕事フェアの開催:県内各地で大規模な就職相談会を開催しています。例えば、令和5年度には浜松市(サーラシティ浜松、浜松市福祉交流センター)、静岡市(グランシップ)、沼津市(プラサヴェルデ)などで開催され、多くの求職者と法人が集まりました。こうしたイベントは、福祉業界の活気を示すとともに、新たな人材が参入する重要な機会となっています。
- ミニ就職相談会や施設見学会:大規模なフェアだけでなく、より小規模で密なコミュニケーションが可能な「ミニ就職相談会」も県内各所(中部、東部地区など)で頻繁に開催されています。令和5年度には、これらの相談会を通じて60人が採用に至るなど、具体的なマッチング成果を上げています。また、オンラインでの施設見学会なども企画し、求職者が実際の職場の雰囲気を知る機会を提供しています。
- 多様な人材へのアプローチ:学生向けの「就活フェス」への参加や大学での出前講座、結婚や出産で一度離職した介護職経験者の復職を支援する「復職応援セミナー」など、幅広い層に福祉の仕事の魅力を伝え、人材を発掘するためのきめ細やかな活動を展開しています。
これらの取り組みは、静岡県全体で福祉サービスの担い手を確保し、サービスの質を維持・向上させようという強い意志の表れです。施設を利用する側としても、そこで働く職員がやりがいを持ち、安定して働き続けられる環境が整備されていることは、長期的に見て安心できる材料の一つと言えるでしょう。
結論:あなたに合った支援を見つけるための、はじめの一歩
本記事では、静岡県、特に浜松市における障害者支援施設の多様な世界を、その種類、探し方、そして具体的な施設例を通して探求してきました。最後に、あなたらしい暮らしを実現するための最も重要なポイントを振り返ります。
まず、障害者支援施設やサービスは、もはや画一的なものではない、ということを改めて心に留めてください。「生活介護」で日中の活動を楽しみ、「就労継続支援」で働く喜びを見つけ、「グループホーム」で地域の一員として暮らす。これらの選択肢は、パズルのピースのように組み合わせることができ、その組み合わせ方は無限にあります。
次に、浜松市には、聖隷福祉事業団や天竜厚生会といった大規模法人から、専門性の高いNPOまで、具体的で質の高い選択肢が豊富に存在するということです。この記事で紹介した施設はほんの一例に過ぎません。あなたの希望やニーズに合った場所が、きっと見つかるはずです。
そして、最も大切なこと。それは、一人で悩まず、まずは専門家に相談することです。複雑な制度の海を航海するための羅針盤となってくれるのが、相談支援専門員です。彼らはあなたの伴走者として、最適な航路を一緒に見つけ出してくれます。
この記事を読み終えた今、あなたができる「はじめの一歩」は、非常にシンプルです。それは、お住まいの地域を担当する「浜松市障がい者相談支援センター」に、一本の電話をかけてみること。その小さな行動が、あなたやあなたの大切な人の未来を、より豊かで希望に満ちたものへと変える、大きなきっかけとなるはずです。
| 担当圏域(旧行政区) | センター名 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 旧中区・旧北区(三方原地区) | 浜松市中障がい者相談支援センター | 053-488-8077 |
| 旧東区 | 浜松市東障がい者相談支援センター | 053-424-0371 |
| 旧西区 | 浜松市西障がい者相談支援センター | 053-597-1124 |
| 旧南区 | 浜松市南障がい者相談支援センター | 053-401-6881 |
| 旧浜北区 | 浜松市浜北障がい者相談支援センター | 053-587-1010 |
| 旧北区(三方原地区を除く) | 浜松市北障がい者相談支援センター | 053-523-2255 |
| 天竜区 | 浜松市天竜障がい者相談支援センター | 053-589-5580 |
「福祉サービスのことで相談したいのですが…」――。その一言から、新しい道が拓けます。あなたらしい生活を実現するためのサポートが、すぐそこにあります。


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