就労移行支援を利用すると障害年金は止まる?減額される?【浜松市版】受給の条件や所得制限、専門相談窓口を徹底解説

  1. 読者の不安への共感と記事の価値提示
    1. この記事を読むことで、あなたは以下のことを得られます
  2. 第一部:【結論】就労移行支援と障害年金は併用できる!ただし注意点も
    1. 明確な結論:原則として「併用可能」
    2. 併用するための2つの基本条件
    3. 注意点:リスクが存在するケースとは?
  3. 第二部:【最重要】障害年金が減額・停止になる3つのケースと就労の関係
    1. ケース1:原則、所得制限はない(障害厚生年金・20歳以降初診の障害基礎年金)
    2. ケース2:所得制限が適用される(20歳前傷病の障害基礎年金など)
      1. 対象者と理由
      2. 具体的な所得制限額
      3. 「年収」と「所得」の違いに注意
    3. ケース3:就労状況から「労働能力あり」と判断され、等級が下がる・不支給になる
      1. 審査の仕組み
  4. 第三部:就労移行支援の利用者が年金審査で不利にならないための対策
    1. 就労移行支援における「就労」の正しい捉え方
    2. 申請・更新時に「支援を受けている実態」を具体的に伝える重要性
      1. 病歴・就労状況等申立書で伝えるべきこと
      2. 診断書作成を依頼する際のポイント
    3. 他の就労系福祉サービスとの違いを理解する
  5. 第四部:【浜松市版】障害年金の相談・申請手続き完全ガイド
    1. 障害年金申請の全体像:5つのステップ
    2. 浜松市の公的相談窓口リスト
      1. 障害基礎年金(初診日に国民年金加入の方)の相談・提出先
      2. 障害厚生年金(初診日に厚生年金加入の方)の相談・提出先
    3. 専門家(社会保険労務士)への相談という有効な選択肢
      1. 社労士に依頼するメリット
    4. 【広告】浜松市の障害年金に強い社会保険労務士事務所
      1. 浜松障害年金サポートセンター
      2. 静岡・浜松障害年金相談センター(アイアール障害年金相談センター)
      3. 障害年金支援センター静岡(オフィスてんポイント)
  6. 第五部:障害年金で生活を安定させ、就労移行支援で未来を拓く
    1. 「年金」と「就労支援」の相乗効果で理想のサイクルを
    2. 理想的なポジティブ・サイクル
    3. 経済的基盤の上で、就労移行支援のメリットを最大限に活用する
    4. 【行動へ】浜松市のおすすめ就労移行支援事業所
      1. 事業所選びの3つのポイント
    5. 【広告】浜松市のおすすめ就労移行支援事業所
      1. LITALICOワークス 新浜松
      2. ウェルビー 浜松駅前センター
      3. ランプ浜松
      4. アクセスジョブ 静岡
  7. まとめ:不安を解消し、浜松市で新たな一歩を踏み出そう
    1. この記事の核心

読者の不安への共感と記事の価値提示

「一般就労を目指して、就労移行支援を利用してみたい。でも、訓練期間中は基本的に収入がない。もし、生活の支えである障害年金が止まってしまったらどうしよう…」

「就労移行支援事業所に通うことが『働いている』と見なされて、年金が減額されたり、次の更新で不支給になったりしないだろうか…」

浜松市にお住まいで、社会復帰への意欲を持ちながらも、このような経済的な不安から就労移行支援の利用に一歩踏み出せないでいる方はいらっしゃいませんか。障害年金の受給は、日々の生活を支え、安心して治療や訓練に専念するための重要な生命線です。その生命線が、未来への投資であるはずの就労移行支援の利用によって脅かされるかもしれないという不安は、非常に切実な問題です。

この記事は、まさにそうした不安を抱えるあなたのために、複雑で分かりにくい障害年金の制度と就労移行支援の関係性を、専門的かつ体系的に解き明かすことを目的としています。単なる情報の羅列ではなく、あなたの状況に合わせた具体的な知識と行動指針を提供します。

この記事を読むことで、あなたは以下のことを得られます

  • 就労移行支援と障害年金を併用できるのか、その明確な答えがわかります。
  • 年金が減額・停止になる具体的なケースと、そうならないための重要なポイントが深く理解できます。
  • 複雑な障害年金の手続きや、万が一困ったときに浜松市で相談できる具体的な専門窓口の情報が手に入ります。
  • 最終的に、経済的な不安を解消し、安心して就職準備に専念するための確かな道筋が見えてきます。

経済的な安定は、精神的な安定に直結します。本記事を通じて、障害年金に関する正しい知識を身につけ、制度を賢く活用することで、あなたが安心して未来への一歩を踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。

第一部:【結論】就労移行支援と障害年金は併用できる!ただし注意点も

明確な結論:原則として「併用可能」

まず、多くの方が最も知りたい結論からお伝えします。就労移行支援事業所に通いながら、障害年金を受給することは原則として可能です。実際に、多くの方が二つの制度を併用しながら、就職に向けた準備を進めています。

その根拠は、障害年金の支給要件にあります。日本年金機構が定める障害年金の受給条件には、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」などがありますが、その中に「就労移行支援を利用していないこと」という項目は一切存在しません。したがって、制度上、就労移行支援の利用が直接的な理由で障害年金の受給資格を失うことはないのです。

制度上の理解:
就労移行支援は「障害者総合支援法」に基づく福祉サービスであり、一般企業への就職を目指すための「訓練」の場です。一方、障害年金は「国民年金法」「厚生年金保険法」に基づく社会保険制度であり、病気やけがによって生活や仕事が制限される方への「所得保障」です。この二つは根拠となる法律も目的も異なる、独立した制度なのです。

併用するための2つの基本条件

この二つの制度を併用するためには、当然ながら、それぞれの利用・受給条件を個別に満たしている必要があります。ご自身が対象となるか、以下の2つの条件を確認してみましょう。

  1. 就労移行支援の利用対象者であること
    一般的に、以下の条件を満たす方が対象となります。

    • 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、または指定の難病がある方
    • 65歳未満の方
    • 一般企業への就労を希望している方
    • 就労が可能と見込まれる方

    なお、障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書があれば利用できる場合があります。

  2. 障害年金の受給要件を満たしていること
    主に以下の3つの要件を満たしている必要があります。

    • 初診日要件:障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していること。
    • 保険料納付要件:初診日の前々月までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上保険料を納付しているか、または初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
    • 障害状態要件:障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日、またはそれ以前に症状が固定した日)において、法令で定められた障害等級(1級~3級)に該当する状態であること。

注意点:リスクが存在するケースとは?

「併用は可能」という原則は、多くの方にとって安心材料となるでしょう。しかし、これで全ての問題がクリアになったわけではありません。冒頭で触れた不安、つまり「年金が減額されたり、更新時に停止されたりするのではないか」というリスクは、特定の条件下で現実のものとなり得ます。

具体的には、以下の3つの視点が重要になります。

  • 所得制限:特定の種類の障害年金には、所得による支給制限が設けられています。
  • 労働能力の評価:就労の事実が、障害の程度が軽くなったと判断される材料になることがあります。
  • 申請・更新時の伝え方:ご自身の状況を書類上でいかに正確に伝えるかが、審査の結果を大きく左右します。

これらのリスクは、決して無視できません。しかし、仕組みを正しく理解し、適切な対策を講じることで、そのリスクを最小限に抑えることが可能です。次の第二部では、これらのリスクについて、一つひとつ掘り下げて詳しく解説していきます。ご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めてください。

第二部:【最重要】障害年金が減額・停止になる3つのケースと就労の関係

障害年金と就労を両立させる上で、最も重要なのが「どのような場合に支給額に影響が出るのか」を正確に把握することです。審査の過程では、「所得」と「労働能力」という二つの異なる尺度が用いられます。この違いを理解することが、不安を解消し、適切な対策を立てるための第一歩となります。

ケース1:原則、所得制限はない(障害厚生年金・20歳以降初診の障害基礎年金)

まず、大多数の方が該当するであろう、最も一般的なケースから見ていきましょう。障害年金には大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。

  • 障害厚生年金:初診日に会社員や公務員などで、厚生年金に加入していた方が対象。
  • 障害基礎年金:初診日に自営業者、学生、無職などで、国民年金に加入していた方が対象。

このうち、障害厚生年金と、初診日が20歳以降にある障害基礎年金については、原則として所得制限がありません。つまり、就労移行支援を経て一般就労し、給与収入を得たとしても、その収入額を理由に年金が減額されたり停止されたりすることはないのです。

これは、これらの年金が「保険」の原理に基づいているためです。加入者が納めた保険料を財源としており、保険事故(障害状態)が発生した際に給付を受ける権利として支給されるため、受給者の所得状況は問われないのが基本です。

ポイント:ご自身の初診日がいつで、その時にどの年金制度に加入していたかを確認することが重要です。年金手帳やねんきんネットで確認できます。もし初診日が20歳以降で、厚生年金か国民年金に加入していたのであれば、所得制限の心配は基本的に不要です。

ケース2:所得制限が適用される(20歳前傷病の障害基礎年金など)

一方で、例外的に所得制限が設けられているケースがあります。これが最も代表的なのが「20歳前傷病による障害基礎年金」です。

対象者と理由

対象となるのは、障害の原因となった病気やけがの初診日が20歳未満にある方です。これには、先天性の知的障害や発達障害なども含まれます(出生日が初診日とみなされるため)。

なぜこのケースだけ所得制限があるのでしょうか。それは、20歳未満の国民は国民年金の保険料を納付する義務がないためです。つまり、保険料を納めていなくても、社会保障的な観点から特例として支給されるのが20歳前傷病の障害基礎年金です。そのため、保険料をきちんと納付してきた他の受給者との公平性を保つ観点から、一定以上の所得がある場合には支給額を調整する、という仕組みが取られています。

具体的な所得制限額

所得制限は、受給者本人の前年の所得額に応じて、以下の2段階で適用されます。支給停止期間は、その年の10月分から翌年9月分までです。

上記の表は単身世帯の場合です。扶養親族がいる場合は、その人数や年齢に応じて所得制限額が加算されます。

「年収」と「所得」の違いに注意

ここで注意すべきは、基準となるのが税金などが引かれる前の「年収(収入)」ではなく、各種控除が適用された後の「所得」である点です。給与収入の場合、年収から給与所得控除などを差し引いた金額が所得となります。一般的に、所得額は年収額よりも低くなります。

計算式(概算): 所得 = 年収 - 給与所得控除 - 社会保険料控除など

就労移行支援の利用中は基本的に工賃(収入)が発生しないか、発生してもごく少額なため、この所得制限に該当する可能性は極めて低いと言えます。しかし、将来的に一般就労を目指す上で、ご自身がこのケースに該当するかどうかを把握しておくことは非常に重要です。

ケース3:就労状況から「労働能力あり」と判断され、等級が下がる・不支給になる

所得制限とは全く別の観点から、年金の支給に影響を及ぼす最も注意すべきリスクが、この「労働能力」の評価です。これは、特にうつ病、統合失調症、発達障害といった精神障害や、外見からは分かりにくい内部障害で年金を受給している場合に重要なポイントとなります。

審査の仕組み

障害年金の審査、特に数年ごとに行われる「更新(障害状態確認届の提出)」では、現在の障害の状態が認定基準に該当するかどうかが改めて判断されます。その際、就労しているという事実が「症状が改善し、労働能力が一定程度回復した」と評価される一因となる可能性があるのです。

審査機関は、提出された診断書や申立書の内容から、申請者の日常生活能力や労働能力を総合的に判断します。もし、就労移行支援事業所に毎日休まず通えている、といった事実だけが強調されると、実際の困難さや受けている支援の実態が伝わらず、「相当程度の労働能力がある」と誤解され、結果として等級が引き下げられたり、不支給(支給停止)と判断されたりするリスクが生じます。

審査官の視点:
審査官は書類のみで判断します。そのため、「就労している」という客観的な事実に対し、「どのような環境で、どのような配慮や支援を受けながら、どの程度の業務を行っているのか」という質的な情報がなければ、障害の程度を正確に評価することができません。単に「働いている=元気になった」と短絡的に判断されるわけではありませんが、そのように判断される隙を与えないための工夫が求められます。

このリスクは、所得の有無にかかわらず発生します。たとえ収入がゼロであっても、訓練の状況によっては「労働能力あり」と評価される可能性があるため、就労移行支援を利用するすべての方が知っておくべき最も重要な注意点と言えるでしょう。では、このリスクにどう対処すればよいのか。次の第三部で、具体的な対策を詳しく解説します。

第三部:就労移行支援の利用者が年金審査で不利にならないための対策

第二部で解説した「労働能力の評価」というリスクは、適切な対策を講じることで十分に回避可能です。重要なのは、審査官に対して「就労移行支援の利用実態」と「ご自身の障害特性による困難さ」を、具体的かつ客観的に伝えることです。ここでは、そのための3つの重要な戦略を解説します。

就労移行支援における「就労」の正しい捉え方

まず大前提として、就労移行支援事業所での活動は、一般企業での労働とは本質的に異なります。この点を、申請者自身も、そして審査官にも明確に理解してもらう必要があります。

  • 目的は「訓練」: 就労移行支援の主目的は、あくまで一般就労に必要なスキルや知識、体力、コミュニケーション能力を身につけるための「訓練」です。利益を生むための「労働」ではありません。
  • 環境は「保護的」: 事業所は、障害特性への深い理解がある支援員が常駐し、体調に合わせて休憩を取れたり、個別のプログラムが組まれたりするなど、高度に配慮された「保護的な環境」です。一般の職場とは全く異なります。
  • 収入は「非発生」が基本: 多くの就労移行支援事業所では、訓練に対する工賃や給与は発生しません。これにより、所得制限のリスクが低いだけでなく、「労働の対価を得ている」という見方をされにくい側面もあります。

申請書類を作成する際には、この「訓練の場である」という位置づけを一貫して示すことが、誤解を避けるための基本姿勢となります。

申請・更新時に「支援を受けている実態」を具体的に伝える重要性

「労働能力あり」と誤解されないためには、抽象的な表現を避け、具体的な事実を積み重ねて「支援がなければ訓練の継続も困難である」ことを示す必要があります。そのための最も重要なツールが、「病歴・就労状況等申立書」「診断書」です。

病歴・就労状況等申立書で伝えるべきこと

この書類は、ご自身やご家族が作成する唯一の書類であり、あなたの声を直接審査官に届けることができる貴重な機会です。以下の点を、できるだけ具体的に記述しましょう。

  • 通所に際しての困難:
    • 例:「朝、なかなか起き上がれず、家族に何度も起こしてもらってようやく準備ができる」
    • 例:「満員電車に乗ることができず、時間をずらしたり、各駅停車を利用したりする工夫が必要」
  • 訓練中の支援・配慮:
    • 例:「集中力が続かず、1時間に1回は支援員の許可を得て休憩室で休んでいる」
    • 例:「対人関係のストレスが強いため、グループワークは免除してもらい、個別課題に取り組んでいる」
    • 例:「指示の理解が難しく、支援員に何度も質問したり、図に描いてもらったりしてようやく理解できる」
  • 体調の波と欠席状況:
    • 例:「週に1~2日は体調不良で欠席、または早退することがある」
    • 例:「気圧の変化に弱く、雨の日は特に心身の不調が強く現れる」
  • 日常生活での支障:
    • 例:「訓練から帰宅すると疲れ果ててしまい、食事の準備や入浴もままならない」
    • 例:「金銭管理が苦手で、家族や後見人が管理している」

「通所できている」という事実だけでなく、その裏にある多大な努力と周囲のサポートを具体的に記述することで、あなたの障害の実態がより正確に伝わります。

診断書作成を依頼する際のポイント

診断書は医師が作成しますが、審査において最も重要な書類です。医師は日々の診察だけでは、あなたの日常生活や訓練の状況を全て把握しているわけではありません。そこで、診断書作成を依頼する際には、ご自身から情報を提供することが極めて重要です。

上記の「病歴・就労状況等申立書」でまとめたような内容をメモに書き出し、医師に渡しましょう。特に、就労移行支援事業所の支援員から見たあなたの様子や、どのような配慮を受けているかを客観的に書いてもらった手紙などを添えるのも非常に有効です。これにより、医師はより実態に即した、説得力のある診断書を作成しやすくなります。

他の就労系福祉サービスとの違いを理解する

読者の理解を深めるため、就労移行支援と混同されがちな「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」との違いを、障害年金への影響という観点から整理します。これにより、就労移行支援の位置づけがより明確になります。

サービス種別 目的 雇用契約 収入(平均) 障害年金への影響
就労移行支援 一般就労への移行に向けた訓練 なし 原則なし ・所得制限のリスクは極めて低い
・「労働能力」の評価に注意が必要
就労継続支援A型 支援を受けながら働く あり 約7.9万円/月 ・20歳前傷病の場合、所得制限に注意
・雇用契約があるため「労働能力あり」と評価されやすい傾向
就労継続支援B型 軽作業などを通じて生産活動を行う なし 約1.6万円/月 ・収入が低いため所得制限のリスクは低い
・作業内容によっては「労働能力」評価の対象になりうる

このように比較すると、就労移行支援は他のサービスに比べて、障害年金への影響が最も少ない選択肢であることがわかります。この点を理解した上で、次のステップである具体的な申請手続きに進みましょう。

第四部:【浜松市版】障害年金の相談・申請手続き完全ガイド

障害年金の制度やリスクについて理解が深まったところで、次に行動に移すための具体的な手続きについて解説します。「何から始めればいいかわからない」という方のために、申請の全体像から浜松市で頼れる相談窓口まで、網羅的にご案内します。

障害年金申請の全体像:5つのステップ

障害年金の申請は複雑で時間がかかるプロセスです。全体像を把握し、計画的に進めることが重要です。

  1. ステップ1:初診日の確認【最重要】すべての手続きの起点となるのが「初診日」、つまり障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日です。この日を特定し、証明することが申請の第一歩であり、最も重要な関門です。カルテが残っていないなど証明が難しい場合もあるため、まずは当時の診察券、お薬手帳、領収書などを探してみましょう。
  2. ステップ2:年金事務所や市役所で相談・必要書類の入手初診日が確認できたら、年金の加入状況に応じて相談窓口へ行きます。ここでご自身の状況を説明し、必要な書類(年金請求書など)一式を受け取ります。この時点で、保険料の納付要件を満たしているかなども確認してもらえます。
  3. ステップ3:必要書類の作成・準備申請には多くの書類が必要です。主要なものは以下の通りです。
    • 年金請求書:申請者の情報や振込先などを記入します。
    • 診断書:現在の主治医に作成を依頼します。障害の種類に応じた様式があります。
    • 病歴・就労状況等申立書:発症から現在までの経緯、日常生活や就労の状況を本人または家族が作成します。第三部で解説したポイントを盛り込みましょう。
    • 受診状況等証明書:初診の医療機関に、初診日を証明してもらうための書類です(診断書を書いてもらう病院と初診の病院が違う場合に必要)。
    • その他:戸籍謄本、住民票、年金手帳、預金通帳のコピーなど。
  4. ステップ4:書類の提出すべての書類が揃ったら、提出先に持参または郵送します。提出先は初診日に加入していた年金制度によって異なります。
    • 障害基礎年金の場合:お住まいの市区町村役場の国民年金担当課
    • 障害厚生年金の場合:年金事務所
  5. ステップ5:審査と結果通知書類提出後、日本年金機構で審査が行われます。審査には通常3ヶ月から半年程度の時間がかかります。支給が決定されると「年金証書」が届き、その後1~2ヶ月で初回の年金が振り込まれます。

浜松市の公的相談窓口リスト

浜松市にお住まいの方が障害年金について相談・申請する際の公的な窓口は以下の通りです。ご自身の状況に合わせて、まずはお電話で問い合わせてみることをお勧めします。

障害基礎年金(初診日に国民年金加入の方)の相談・提出先

お住まいの区役所が窓口となります。

区役所 担当課 電話番号 所在地
中央区役所 区民生活課 053-457-2211 浜松市中央区元城町103-2
浜名区役所 区民生活課 053-585-1111 浜松市浜名区貴布祢3000
天竜区役所 区民生活課 053-922-0019 浜松市天竜区二俣町二俣481

※上記は代表的な連絡先です。浜松市の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

障害厚生年金(初診日に厚生年金加入の方)の相談・提出先

管轄の年金事務所が窓口となります。

  • 日本年金機構 浜松西年金事務所
    • 管轄区域:中央区(旧中区、旧西区、旧北区の一部)、浜名区(旧浜北区)
    • 電話番号:053-456-8511
    • 所在地:浜松市中央区中央1-12-4 浜松合同庁舎内
  • 日本年金機構 浜松東年金事務所
    • 管轄区域:中央区(旧東区、旧南区)、天竜区、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、御前崎市、菊川市、周智郡森町
    • 電話番号:053-421-0562
    • 所在地:浜松市中央区相生町12-10

専門家(社会保険労務士)への相談という有効な選択肢

ここまでお読みいただき、手続きの複雑さや書類作成の難しさを感じた方も少なくないでしょう。障害年金の申請は、書類の書き方一つで結果が大きく変わることもある、非常に専門性の高い分野です。もし少しでも不安があれば、障害年金を専門とする社会保険労務士(社労士)に相談することも非常に有効な選択肢です。

社労士に依頼するメリット

  • 受給可能性の正確な判断:豊富な経験から、あなたの状況で年金が受給できる可能性を的確に判断してくれます。
  • 煩雑な手続きの代行:初診日の証明の取り寄せから、書類の作成、提出まで、面倒な手続きの大部分を任せることができます。
  • 審査通過のノウハウ:審査官に障害の状態が正しく伝わる、説得力のある「病歴・就労状況等申立書」を作成するノウハウを持っています。
  • 精神的負担の軽減:複雑な手続きから解放されることで、ご自身の治療や訓練に専念できます。

多くの事務所では無料相談を実施しています。まずは一度、話を聞いてみるだけでも、今後の見通しが大きく変わる可能性があります。

第五部:障害年金で生活を安定させ、就労移行支援で未来を拓く

ここまで、障害年金と就労移行支援の併用に関するリスクと対策を詳しく見てきました。重要なのは、この二つの制度を対立するものとして捉えるのではなく、あなたの人生をより豊かにするための両輪として賢く活用することです。経済的な基盤を固め、安心して未来へのステップを踏み出すための具体的な考え方を示します。

「年金」と「就労支援」の相乗効果で理想のサイクルを

「障害年金」と「就労移行支援」は、それぞれが重要な役割を担っています。この二つを組み合わせることで、非常に強力なセーフティネットとスプリングボードを同時に手に入れることができます。

理想的なポジティブ・サイクル

  1. 【経済的安定】障害年金を受給する
    訓練期間中の収入の不安が解消され、生活の基盤が安定します。これにより、焦らずじっくりと自分に合った就職準備に取り組む精神的な余裕が生まれます。
  2. 【未来への投資】就労移行支援を利用する
    安定した生活基盤の上で、専門的なスキル習得や自己理解に集中できます。これが、長期的に安定して働ける職場とのマッチングにつながります。
  3. 【自立と社会参加】一般就労を実現する
    就労によって新たな収入源を確保し、経済的な自立度を高めます。同時に、社会とのつながりや働くことのやりがいを得ることができます。

障害年金は、あなたが就労によって収入を得たからといって、すぐになくなるわけではありません(所得制限や労働能力評価のケースを除く)。むしろ、年金という基盤があるからこそ、無理のない範囲で働き始め、徐々にステップアップしていくという柔軟なキャリアプランを描くことが可能になるのです。

経済的基盤の上で、就労移行支援のメリットを最大限に活用する

経済的な心配事が軽減された状態で就労移行支援を利用すると、そのメリットを最大限に享受できます。就労移行支援は、単に仕事を見つける場所ではありません。あなたの人生そのものを豊かにする、多くの価値を提供してくれます。

  • 個別支援計画に基づくスキルアップ:あなたの特性や目標に合わせて、PCスキル、ビジネスマナー、コミュニケーションスキルなどを体系的に学べます。
  • 生活リズムの安定と自己管理能力の向上:毎日決まった時間に通所することで、自然と生活リズムが整います。また、支援員と相談しながら体調管理の方法を学ぶことができます。
  • 同じ目標を持つ仲間との出会い:同じように就職を目指す仲間と悩みを共有したり、励まし合ったりすることで、孤独感が和らぎ、モチベーションを維持しやすくなります。
  • 徹底した就職活動サポート:自己分析、企業研究、履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接など、就職活動のあらゆる段階で専門的なサポートを受けられます。面接に同行してくれる事業所も多くあります。
  • 就職後の定着支援:就職はゴールではありません。就職後も最長3年半(就労定着支援)、職場での悩みや人間関係について相談できるサポートがあり、長く働き続けるための心強い味方となります。

浜松市では、こうした就労移行支援の重要性を認識し、「第4次浜松市障がい者計画」においても福祉施設から一般就労への移行を重点施策として掲げています。市の後押しもある今、この制度を活用しない手はありません。

上のグラフが示すように、浜松市では多くの方が様々な福祉サービスを利用して自立と社会参加を目指しています。あなたもその一人として、新たな一歩を踏み出してみませんか。

【行動へ】浜松市のおすすめ就労移行支援事業所

最後に、この記事の目的である「安心して就職準備に専念する」ための具体的な行動を促します。浜松市内には、特色ある様々な就労移行支援事業所があります。自分に合った場所を見つけることが、成功への鍵です。

事業所選びの3つのポイント

  1. プログラム内容:自分の学びたいスキル(PC、デザイン、事務、プログラミングなど)に合ったプログラムがあるか。
  2. 事業所の雰囲気と支援員との相性:見学や体験利用を通じて、自分が安心して通えそうか、支援員に気軽に相談できそうかを確認しましょう。
  3. 就職実績と定着率:どのような企業への就職実績があるか、就職後の定着率は高いか、といった実績データも重要な判断材料です。

まとめ:不安を解消し、浜松市で新たな一歩を踏み出そう

本記事では、就労移行支援の利用が障害年金に与える影響について、浜松市にお住まいの方向けに、多角的に掘り下げて解説してきました。最後に、重要なポイントを改めて確認しましょう。

この記事の核心

  • 併用は可能:就労移行支援と障害年金の併用は、制度上、原則として可能です。二つは対立するものではなく、あなたの自立を支える両輪です。
  • 注意すべき2つのリスク:リスクは主に2種類。「20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限」と、就労状況に基づく「労働能力の評価」です。ご自身がどちらに注意すべきか把握することが重要です。
  • 対策は「正確に伝える」こと:「労働能力」の評価で不利にならないためには、事業所から受けている支援や配慮、日常生活での困難さを、申立書や診断書を通じて具体的かつ正確に伝えることが不可欠です。
  • 浜松市には相談先がある:一人で悩む必要はありません。浜松市には区役所や年金事務所といった公的窓口、そして障害年金専門の社会保険労務士という頼れる専門家がいます。

「年金が止まったらどうしよう」という経済的な不安は、専門的な知識と適切な手続き、そして信頼できる相談先を見つけることで、必ず解消できます。障害年金というセーフティネットをしっかりと活用しながら、就労移行支援という未来へのスプリングボードを使って、あなたらしいキャリアへの第一歩を、この浜松の地で踏み出してください。

この記事が、あなたの心にかかる靄を少しでも晴らし、前向きな行動を後押しする一助となれば、これに勝る喜びはありません。

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