自分に合った「はたらく」を見つけるために
「一般企業で働きたいけど、何から始めればいいかわからない」「自分の障害特性に合う仕事や職場環境ってどんなところだろう?」——。浜松市で就職を目指す障害のある方やそのご家族にとって、このような悩みや不安は尽きないかもしれません。
一人で就職活動を進めるのは、時に心細く、困難を感じることもあります。しかし、浜松市には、そんなあなたを力強くサポートするための様々なイベントや機会が用意されています。これらのイベントは、就労支援サービスを提供する事業所や、障害者雇用に積極的な企業と直接出会える貴重な場です。
この記事では、浜松市が主催する大規模なイベント「ともにはたらくフェア」を中心に、年間を通じて開催される主要な障害者就労関連イベントを網羅的にご紹介します。イベントの特色や参加するメリット、そして参加効果を最大化するための準備まで、あなたの「働きたい」という想いを実現するための具体的な情報をお届けします。
浜松市最大級の祭典「ともにはたらくフェア」を徹底解説
浜松市で障害のある方の就労支援を考える上で、最も重要で大規模なイベントが「ともにはたらくフェア」です。浜松市が主催し、毎年多くの当事者、家族、支援者が訪れます。「自分に合った“はたらく”にきっと出会える」をテーマに、就労に関するあらゆる情報が一堂に会するこのイベントについて、詳しく見ていきましょう。
令和7年度(2025年)の開催概要
最新の開催情報は以下の通りです。入場は無料で、時間内の入退場も自由なので、ご自身のペースで参加することができます。
- 日時:令和7年7月12日(土曜日)午前10時30分から午後3時まで
- 場所:浜松市総合産業展示館 本館 第一展示場・第二展示場
- 主催:浜松市(担当課:障害保健福祉課)
- 連絡先:053-457-2864
浜松市では、障がいのある人やそのご家族に対し障害福祉サービスの利用についての理解を深めていただく契機になるよう「ともにはたらくフェア」を開催します。
フェアでできること:相談から体験まで
「ともにはたらくフェア」の最大の魅力は、その内容の多様性です。会場では、以下のような様々なコーナーが設けられており、一日で幅広い情報を得ることができます。
- 福祉サービス事業所との直接相談:就労移行支援、就労継続支援A型・B型、生活介護など、浜松市内の様々な障害福祉サービス事業所の職員がブースを出展。事業所の雰囲気や訓練内容、一日の流れなど、気になることを直接質問できます。
- 就労支援機関への相談:ハローワークや障害者就業・生活支援センターなど、就労を専門的にサポートする機関の職員に、就職活動の進め方や利用できる制度について相談できます。
- 雇用企業との対話:実際に障害のある方を雇用している企業の担当者から、企業で働くために必要なスキルや、配慮事項など、現場のリアルな話を聞くことができます。
- ミニ講座の開催:障害福祉サービスの利用方法や障害基礎年金など、知っておきたい制度について分かりやすく解説するミニ講座も開催されます。
- 製品販売:各事業所が作ったパンやお菓子、雑貨などが販売され、活動の一端に触れることができます。
参加する3つの大きなメリット
- 情報の網羅性:福祉、支援機関、企業という就労に関わる三者が一堂に会するため、多角的な視点から情報を収集できます。パンフレットだけではわからない、現場の「生の声」を聞けるのが最大の利点です。
- 比較検討のしやすさ:複数の事業所や企業のブースを一度に回れるため、それぞれの特色を比較し、自分に合った場所を見つけやすくなります。
- 不安の解消と新たな発見:専門家や同じような悩みを持つ仲間と話すことで、漠然とした不安が解消されたり、自分では気づかなかった新たな可能性や選択肢を発見したりするきっかけになります。
年間を通じて開催!浜松市・静岡県の主要な就労支援イベント
「ともにはたらくフェア」以外にも、浜松市や静岡県では年間を通じて様々な就労支援イベントが開催されています。それぞれに特色があるため、自分の目的や状況に合わせて参加を検討しましょう。
静岡労働局・ハローワーク主催「障害者就職面接会」
こちらは、より「就職」に直結したイベントです。企業の採用担当者と直接面接ができる「合同企業面接会」形式で開催されます。ハローワークが主催するため、多くの求人企業が参加するのが特徴です。
- 特徴:採用選考を目的とした面接が中心。履歴書を持参し、その場で複数の企業に応募することが可能です。
- 開催時期:例年、9月~10月と2月~3月の年2回、県内各所で開催されます。
- 浜松会場:浜松では「アクトシティ浜松」で開催されることが多く、令和7年度は9月24日(水)に予定されています。
静岡県内8会場にて、令和7年9月から10月に障害者就職面接会を開催予定です。詳細は各ハローワークのご案内をご覧ください。
企業や支援機関が主催する多様なセミナー・相談会
公的なイベントのほか、民間の就労移行支援事業所や企業が主催する小規模なセミナーや相談会も数多く開催されています。これらは特定のテーマに特化していることが多く、より深い情報を得たい場合に有効です。
- ワークフェスタ in 浜松:就労移行支援事業所ウェルビーなどが主催。企業説明会や基調講演が行われ、地域の企業、支援者、当事者の交流の場となっています。
- 障害者雇用促進セミナー:浜松市障害者就労支援センター「ふらっと」などが開催。実際に企業で働く障害のある方の活躍の様子をシンポジウム形式で紹介するなど、具体的な事例に触れることができます。
- 各種相談会:ハローワーク浜松では、ミニ会社説明会や各種セミナーが随時開催されており、より気軽に企業と接点を持つことができます。
イベントを最大限に活用するための準備と心構え
せっかくイベントに参加するなら、実り多い一日にしたいものです。そのためには、事前の準備と当日の心構えが重要になります。
参加前に準備しておきたいこと
- 目的を明確にする:「まずは情報収集がしたい」「具体的な事業所を見つけたい」「企業の生の声が聞きたい」など、自分がそのイベントで何を得たいのかを考えておきましょう。
- 聞きたいことをリストアップする:「一日の訓練内容は?」「どんな人が利用している?」「就職後のサポートは?」など、事前に質問したいことをメモしておくと、当日スムーズに話ができます。
- 参加団体を調べる:公式サイトなどで参加事業所や企業の一覧が公開されている場合は、事前にチェックし、特に話を聞きたいブースに目星をつけておきましょう。
- 簡単な自己紹介を準備する:自分の状況や希望を簡潔に伝えられるようにしておくと、相談がスムーズに進みます。
当日の効率的な回り方と質問のポイント
会場は多くの人で混雑することもあります。効率的に動き、的確な質問をすることが満足度を高める鍵です。
- まずは全体を把握:会場に着いたら、まず会場マップで全体の配置を確認し、目当てのブースの場所を把握しましょう。
- 空いているブースから回る:人気のブースは混雑しがちです。まずは空いているところから回り、効率的に情報を集めるのも一つの手です。
- 具体的な質問を心がける:
- 就労移行支援事業所には:「利用者の男女比や年齢層は?」「PC訓練のレベルは?」「職場実習はどんな企業に行けますか?」
- 企業には:「どのような部署で、どんな業務内容を任される可能性がありますか?」「障害のある社員の方は何名くらい在籍していますか?」「通院などへの配慮はありますか?」
- メモを取る:聞いた話や感じたこと、担当者の名前などをメモしておくと、後で振り返る際に非常に役立ちます。パンフレットに直接書き込むのも良い方法です。
イベント参加はゴールじゃない!次の一歩を踏み出すために
イベントに参加して情報を得ることは、あくまでスタートラインです。大切なのは、そこで得た情報を元に、次なる行動を起こすことです。
- 情報の整理と振り返り:持ち帰ったパンフレットやメモを見返し、どの事業所や企業に興味を持ったか、その理由は何かを整理しましょう。
- 見学・体験の申し込み:興味を持った就労移行支援事業所には、積極的に連絡を取り、見学や体験利用を申し込みましょう。実際の雰囲気やプログラムを肌で感じることは、事業所選びで最も重要なプロセスです。多くの事業所で見学や体験利用が可能です。
- ハローワークへの相談:就職面接会で良い企業に出会えた場合や、さらに求人を探したい場合は、ハローワークの専門窓口で相談を続けましょう。
- 家族との共有:得た情報や感じたことを家族と共有し、相談することも大切です。客観的な意見をもらうことで、新たな視点が得られることもあります。
これらのステップを踏むことで、イベントで得た「点」の情報を、就職というゴールに向けた「線」の活動へとつなげていくことができます。
まとめ:イベントをきっかけに、あなたらしい働き方へ
浜松市で開催される「ともにはたらくフェア」をはじめとする就労支援イベントは、障害のある方々が自分らしい働き方を見つけるための、貴重な情報収集と出会いの場です。これらのイベントは、就労への不安を解消し、具体的な一歩を踏み出すための大きなきっかけとなり得ます。
この記事で紹介した情報を参考に、ぜひ積極的にイベントへ足を運んでみてください。そして、そこで得た出会いや情報を大切に、あなたに合った「はたらく」の形を見つけてください。あなたの新しい挑戦を、地域全体が応援しています。
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