浜松市では、2024年1月に行政区が再編され、旧西区の大部分は中央区に編入されました。しかし、「西区」という慣れ親しんだ地域で障害福祉サービスや施設を探している方は依然として多くいらっしゃいます。この記事では、主に旧西区エリアを対象として、どのような障害福祉サービスがあり、どこに相談すればよいのか、そして具体的な施設にはどのような選択肢があるのかを、公的資料に基づいて分かりやすく解説します。
障害のある方が地域で安心して自分らしく暮らせる社会を目指し、浜松市では多岐にわたる障害福祉サービスと施設が整備されています。サービス利用の第一歩は、信頼できる相談相手を見つけることです。この記事が、あなたやご家族の次の一歩を後押しするきっかけとなれば幸いです。
浜松市の障害福祉サービス:3つの柱
浜松市で提供される障害福祉サービスは、障害者総合支援法に基づき、大きく分けて「介護給付」「訓練等給付」「相談支援」の3つの柱で構成されています。それぞれのニーズに応じて、多様なサービスが用意されています。
介護給付:日常生活を支えるサービス
主に日常生活を送る上で、入浴、排せつ、食事などの介護を必要とする方を対象としたサービスです。自宅での生活を支える訪問系サービスから、施設での日中活動や入所支援まで幅広く提供されています。
- 居宅介護(ホームヘルプ):自宅を訪問し、身体介護や家事援助を行います。
- 生活介護:常に介護が必要な方に、昼間、施設で介護や創作的活動、生産活動の機会を提供します。
- 短期入所(ショートステイ):自宅で介護する方が病気などの場合に、短期間、施設で夜間も含めた支援を提供します。
- 施設入所支援:施設に入所する方に、主に夜間や休日の介護を提供します。
訓練等給付:自立と就労を目指すサービス
自立した日常生活や社会生活を送るための訓練、または一般企業などへの就労を目指すための支援を提供するサービスです。
- 就労移行支援:一般企業への就労を希望する方に、必要な知識や能力向上のための訓練を行います。
- 就労継続支援(A型・B型):一般企業での就労が困難な方に、働く場を提供します。A型は雇用契約を結び、B型は結びません。
- 共同生活援助(グループホーム):地域のアパートや一軒家で、支援を受けながら共同生活を送ります。
相談支援:一人ひとりに合った計画を作成するサービス
多種多様なサービスの中から、本人や家族の意向を踏まえ、最適なサービスを組み合わせて利用できるよう支援するサービスです。専門の相談員が「サービス等利用計画」の作成などを手伝います。
最初のステップ:旧西区エリアの身近な相談窓口
「どのサービスを使えばいいかわからない」「手続きが複雑そう」と感じたら、まずは専門の相談窓口に連絡することが最も重要です。浜松市では、お住まいの地域ごとに担当の「障がい者相談支援センター」が設置されており、無料で相談に応じてくれます。
旧西区エリアにお住まいの方の担当は「浜松市西障がい者相談支援センター」です。障害の種別(身体・知的・精神)に関わらず、あらゆる相談に対応しています。
| センター名 | 浜松市西障がい者相談支援センター |
|---|---|
| 所在地 | 浜松市中央区雄踏一丁目31-1(西行政センター内) |
| 電話番号 | 053-597-1124 / 053-596-5100 |
| 運営法人 (共同運営協議会) |
社会福祉法人ひかりの園, 社会福祉法人和光会, 社会福祉法人昴会 |
| 主な相談内容 | 障害福祉サービスの利用方法、日常生活の困りごと、権利擁護、就労に関する相談など |
出典: 浜松市公式サイト (2025年3月1日時点), 浜松市の就労支援と相談窓口ガイド
このセンターは、旧西区エリアで長年活動してきた3つの社会福祉法人が共同で運営しており、それぞれの専門性やネットワークを活かした総合的な支援体制が強みです。また、各区役所(行政センター)内にある福祉事業所社会福祉課も最初の相談窓口となります。
障害福祉サービス利用までの流れ
障害福祉サービスを利用するには、申請手続きを行い、「障害福祉サービス受給者証」の交付を受ける必要があります。相談からサービス利用開始までの一般的な流れは以下の通りです。専門用語が多く難しく感じるかもしれませんが、相談支援センターの相談員が丁寧にサポートしてくれますのでご安心ください。
- 相談:まずはお住まいの地域の「障がい者相談支援センター」や区役所の「社会福祉課」に相談します。
- 申請:利用したいサービスが決まったら、社会福祉課に申請書を提出します。
- 認定調査:介護給付サービスを希望する場合、市の調査員が心身の状況について聞き取り調査を行います。
- サービス等利用計画案の作成:指定特定相談支援事業所(相談支援センターなど)に依頼し、希望に合わせた「サービス等利用計画案」を作成してもらいます。
- 支給決定・受給者証の交付:市の審査を経て、利用できるサービスの種類や量が決定され、「受給者証」が交付されます。
- 事業者との契約・サービス利用開始:利用したい施設や事業所と契約を結び、サービスの利用がスタートします。
気になる費用は?利用者負担の仕組み
障害福祉サービスの利用料は、原則としてサービス費用の1割が自己負担となります。ただし、家計の負担が重くなりすぎないよう、世帯の所得に応じて月々の負担上限額が定められています。
所得を証明できる世帯の状況に応じて、負担上限月額は以下の4区分に分けられます。
- 生活保護受給世帯:0円
- 市町村民税非課税世帯(低所得):0円
- 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満):9,300円
※20歳以上の入所施設利用者、グループホーム利用者は除きます。 - 上記以外(一般2):37,200円
つまり、どれだけ多くのサービスを利用しても、この上限額を超える支払いは発生しません。なお、これらのサービス費とは別に、施設での食費、光熱水費、日用品費、創作活動の材料費などは実費負担となる場合があります。詳細については、利用を検討している事業所に直接確認することが大切です。
【目的別】浜松市旧西区エリアの障害者施設・事業所一覧
旧西区エリアには、多様なニーズに応えるための様々な施設・事業所があります。ここでは目的別に、代表的な施設をいくつかご紹介します。このエリアの事業所は、生活介護、就労継続支援B型、グループホームがバランス良く存在しているのが特徴です。
日中の活動の場(生活介護・就労支援)
日中の時間を過ごし、創作活動やリハビリ、就労に向けた訓練などを行う施設です。
生活介護事業所
常時介護を必要とする方に、入浴や食事などの介護、創作的活動や生産活動の機会を提供します。
| 事業所名 | 運営法人 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| 光明学園 | 社会福祉法人 菊水光明会 | 浜松市中央区神ヶ谷町4717-2 | 053-485-1500 |
| 四季の郷 | 社会福祉法人 昴会 | 浜松市中央区大山町3133-1 | 053-439-5137 |
| あさぎり | 社会福祉法人 和光会 | 浜松市中央区舘山寺町136 | 053-487-0229 |
| 工房ゆう | 社会福祉法人ひかりの園 | 浜松市中央区大人見町3419-5 | 053-570-1310 |
出典: 浜松市障害者基幹相談支援センター 生活介護事業所一覧 (2025年12月1日現在)
就労継続支援B型事業所
一般企業での就労が困難な方に、雇用契約を結ばずに軽作業などの生産活動の機会を提供します。
| 事業所名 | 運営法人 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| きらり | 社会福祉法人 順愛会 | 浜松市中央区雄踏町宇布見9589 | 053-597-3939 |
| 大山ファーム | 社会福祉法人 昴会 | 浜松市中央区大山町2254-1 | 053-414-5411 |
| 朝霧フードラボ | 社会福祉法人 和光会 | 浜松市中央区志都呂2-12-19 | 053-543-4110 |
| みなみ | 社会福祉法人 遠江学園 | 浜松市中央区雄踏町山崎5526-1 | 053-401-1255 |
出典: 浜松市障害者基幹相談支援センター 就労継続支援B型事業所一覧 (2025年12月1日現在)
生活の場(グループホーム・入所施設)
地域の中で生活するための住まいの場を提供する施設です。
共同生活援助(グループホーム)
地域のアパートや一軒家で、世話人などの支援を受けながら数人で共同生活を送ります。
| 事業所名 | 運営法人 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| 第一・第二・第三大山荘 | 社会福祉法人 昴会 | 浜松市中央区大山町3163-6 | 053-482-7330 |
| コムニオ湖東 | 社会福祉法人 ひかりの園 | 浜松市中央区大人見町3419-1 | 053-485-4600 |
| グループホームあさぎり | 社会福祉法人 和光会 | 浜松市中央区庄和町2476-2 | 053-487-2122 |
| ソーシャルインクルーホーム浜松雄踏町 | ソーシャルインクルー株式会社 | 浜松市中央区雄踏町宇布見4681-1 | 053-596-5046 |
出典: 浜松市障害者基幹相談支援センター グループホーム一覧 (2025年12月1日現在)
障害者支援施設(施設入所支援)
常時介護が必要で、在宅での生活が困難な方が入所し、主に夜間や休日に介護を受ける施設です。日中は生活介護などのサービスを併用します。
- 四季の郷(運営:社会福祉法人昴会)
- あさぎり(運営:社会福祉法人和光会)※福祉型障害児入所施設
短期的な滞在(ショートステイ)
介護者の休息(レスパイト)や病気、冠婚葬祭などの理由で、一時的に介護ができない場合に短期間宿泊できるサービスです。
| 事業所名 | 運営法人 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|---|
| 短期入所朝霧の園 | 社会福祉法人 和光会 | 浜松市中央区庄和町2476-1 | 053-487-2202 |
| ソーシャルインクルーホーム浜松雄踏町短期入所 | ソーシャルインクルー株式会社 | 浜松市中央区雄踏町宇布見4681-1 | 053-596-5046 |
出典: 浜松市障害者基幹相談支援センター 短期入所事業所一覧 (2025年12月1日現在)
旧西区エリアの支援を担う主要な社会福祉法人
旧西区エリアの障害福祉は、地域に根差した複数の社会福祉法人によって支えられています。特に「浜松市西障がい者相談支援センター」の運営を共同で行う3法人は、中核的な役割を担っています。
- 社会福祉法人 昴会(すばるかい)
「四季の郷」などの入所施設やグループホーム、就労支援事業所を運営。「居住支援」「日中活動支援」「相談支援」を3つの柱とし、地域に密着した包括的な支援を展開しています。 - 社会福祉法人 和光会
障害児入所施設「あさぎり」やグループホーム、就労支援事業所「朝霧フードラボ」などを運営。特に児童期からの支援に強みを持ち、地域生活への移行をサポートしています。 - 社会福祉法人 ひかりの園
グループホーム「コムニオ湖東」や日中活動の場「工房ゆう」などを運営。利用者の意思を尊重し、地域社会の一員として自立した生活が送れるような支援を重視しています。
これらの法人が連携することで、多様なニーズに対して切れ目のない支援を提供できる体制が構築されています。
まとめ:一人で悩まず、まずは相談から
浜松市の旧西区エリアには、生活の支援から就労、住まいの提供まで、障害のある方の暮らしを支えるための多様な施設とサービスが整っています。しかし、制度は複雑で、どのサービスが自分に合っているのかを一人で判断するのは難しいかもしれません。
大切なのは、一人で抱え込まず、専門の相談機関にアクセスすることです。お住まいの地域を担当する「浜松市西障がい者相談支援センター」は、あなたやご家族にとって最も身近で頼れるパートナーです。福祉のプロである相談員が、親身になって話を聞き、最適なサービスを見つけるための道筋を一緒に考えてくれます。
【相談先】浜松市西障がい者相談支援センター
電話番号: 053-597-1124
所在地: 浜松市中央区雄踏一丁目31-1(西行政センター内)
相談は無料です。まずは一本、電話をかけることから始めてみませんか。


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