障害者手帳をお持ちですか?静岡県には、その手帳を活用して利用できる割引やサービスが数多く存在します。特に「温泉天国」として知られる静岡では、多くの温泉施設で割引が適用され、旅の負担を軽減してくれます。この記事では、2026年最新の情報に基づき、静岡県内の温泉施設を中心に、交通機関、レジャー施設、さらには浜松市の具体的な支援策まで、障害者割引制度を網羅的に解説します。賢く制度を利用し、静岡での生活やお出かけをさらに豊かなものにしましょう。
障害者割引の基本知識:手帳の種類と使い方
障害者割引を利用するための第一歩は、制度の基本を理解することです。どの手帳が対象で、どのように提示すればよいのかを知っておくことで、スムーズにサービスを受けることができます。
対象となる障害者手帳
一般的に、障害者割引の対象となるのは以下の3種類の手帳です。施設やサービスによって対象となる手帳の種類が異なる場合があるため、事前の確認が重要です。
- 身体障害者手帳:身体上の障害がある方に交付されます。障害の程度によって1級から6級までに区分され、特に重度の1級・2級は「第1種」、それ以外は「第2種」として扱われることが多く、割引内容に差が出ることがあります。
- 療育手帳:知的障害があると判定された方に交付されます。自治体によって名称や等級区分(例:A、B)が異なります。
- 精神障害者保健福祉手帳:一定程度の精神障害の状態にある方に交付されます。等級は1級から3級まであります。
これらの手帳を所持しているご本人に加え、第1種身体障害者や重度の知的障害者の方に同伴する介護者1名も割引対象となるケースが多くあります。これにより、介助が必要な方も安心して外出を楽しむことができます。
割引の受け方:手帳提示と「ミライロID」
割引を受ける際の基本的な方法は、施設の窓口や料金支払い時に障害者手帳の実物を提示することです。しかし、近年ではデジタル化が進み、より便利な方法も登場しています。
それが、スマートフォン向け障害者手帳アプリ「ミライロID」です。このアプリに手帳情報を登録しておくことで、スマートフォンの画面を提示するだけで本人確認が可能になります。財布から手帳を取り出す手間が省け、紛失のリスクも軽減できます。静岡県内でも、浜松市の公営施設や伊東市の「東海館」など、ミライロIDに対応する施設が増加しています。ミライロID公式サイトで対応施設を検索できるので、お出かけ前にチェックしておくと良いでしょう。
静岡の温泉で使える障害者割引:エリア別ガイド
静岡県は、熱海、伊東、修善寺、浜名湖周辺など、数多くの温泉地を有する「温泉の宝庫」です。多くの施設で障害者割引が導入されており、日帰り入浴や宿泊をお得に楽しむことができます。ここでは、エリア別に代表的な施設と割引内容を紹介します。
【西部エリア】浜松市の温泉割引と独自の交通支援
政令指定都市である浜松市では、市営の温泉施設での割引に加え、移動を支援する独自の助成制度が充実しているのが特徴です。
日帰り温泉施設の割引
- 浜松市浜北温泉施設 あらたまの湯:自然に囲まれた人気の温泉施設。障害者手帳を提示すると、本人と介護者1名の入浴料が半額になります。また、プライベートな空間でくつろげる貸切風呂も半額で利用可能です。
- 浜松市雄踏温泉施設 ゆうとうの湯:こちらの施設でも、障害者手帳の提示により利用料金の減免が受けられます。
- (参考)ホテルウェルシーズン浜名湖 華咲の湯:大規模な温泉施設ですが、公式サイトのFAQによると、2026年1月現在、障害者手帳による割引は実施されていません。このように施設によって対応が異なるため、事前の確認が大切です。
浜松市独自の「外出支援助成券」
浜松市では、特定の等級の障害者手帳を持つ市民を対象に、年間7,000円分の「外出支援助成券」を交付しています。この券は、以下の6種類から1つを選択でき、温泉地への足として非常に役立ちます。
- 遠州鉄道バス・電車共通カード(ナイスパス)
- タクシー利用券
- 天竜浜名湖鉄道乗車券
- 地域バス乗車券
- ガソリン券(一部地域のみ)
- 鍼灸マッサージ券
例えば、「タクシー利用券」や「ガソリン券」を使って、郊外の「あらたまの湯」までお得にアクセスすることが可能です。さらに、重度の視覚障害者や肢体不自由者には、年間20,000円分の「外出応援タクシー利用券」が別途交付されるなど、手厚い支援が行われています。
【伊豆エリア】熱海・伊東のバリアフリー宿と日帰り温泉
日本有数の温泉観光地である熱海・伊東エリアでは、割引はもちろん、バリアフリーに力を入れた宿泊施設が充実しています。
熱海エリア:バリアフリー対応の温泉宿
熱海では、多くのホテルや旅館が障害者や高齢者の利用に配慮した設備を整えています。割引の有無はプランによりますが、安心して滞在できる環境が魅力です。
- 亀の井ホテル 熱海:ユニバーサル対応の客室には電動ベッドや天井走行リフトが完備。大浴場や貸切風呂にも手すりがあり、安心して温泉を楽しめます。
- 熱海後楽園ホテル:広々としたユニバーサルルームを用意。館内各所に多目的トイレがあり、車椅子の貸し出しも行っています。
- ホテルニューアカオ:大浴場に手すり付き浴槽やリフトを備え、入浴をサポート。館内も段差が少なく移動しやすい設計です。
伊東エリア:無料で楽しめる文化施設併設の温泉
- 伊東温泉観光・文化施設 東海館:昭和初期の温泉情緒が残る木造建築の観光施設。障害者手帳またはミライロIDを提示すると、本人と付き添い1名の入館料(大人200円)が無料になります。館内には喫茶室のほか、有料で入浴施設も利用できます。
【その他のエリア】伊豆の国市・裾野市などの公営施設
県内各地の市町が運営する公営の温泉・健康増進施設でも、住民を対象とした割引制度が設けられています。
- 伊豆の国市 高齢者健康会館(やすらぎの家)など:市内に住民登録があり、特定の等級の手帳を持つ60歳以上の市民は、160円で入浴施設を利用できます。
- 裾野市 ヘルシーパーク裾野:障害者手帳を持つ方は、割引料金(大人350円)で温泉を利用できます。
- 富士市 かぐやの湯:障害者手帳の提示で、本人と同伴者1名が入館料割引(大人350円)を受けられます。
お住まいの自治体の広報誌やウェブサイトで、近隣の公営施設の割引情報を確認してみることをお勧めします。
温泉だけじゃない!静岡県で使える多様な割引サービス
障害者手帳のメリットは温泉だけにとどまりません。交通機関やレジャー施設、日々の生活に関わる公共料金まで、幅広い場面で割引や優遇措置が受けられます。
交通機関:移動をサポートする割引制度
県内や県外への移動に際して、各種交通機関で割引が適用されます。
- 鉄道(JR・私鉄):第1種障害者とその介護者、または単独で100kmを超えて利用する第1種・第2種障害者は、普通乗車券が5割引になります。静岡県内では、遠州鉄道や天竜浜名湖鉄道でも同様の割引が適用されます。
- バス:遠鉄バスをはじめ、県内のほとんどの路線バスで運賃が割引(多くは5割引)または無料になります。精神障害者保健福祉手帳の適用はバス会社により異なります。
- タクシー:手帳を提示することで、多くのタクシー会社で運賃が1割引になります。乗車時に提示するのがスムーズです。
- 有料道路:事前に市町村の福祉担当窓口で登録手続きを行うと、NEXCO中日本などが管轄する高速道路料金が半額になります。本人運転だけでなく、重度障害者が同乗する場合の介護者運転も対象です。
レジャー・文化施設:お出かけをもっと楽しく
休日のお出かけに嬉しい、レジャー施設や文化施設の割引も豊富です。
| 施設カテゴリ | 代表的な施設例(静岡県内および近郊) | 割引内容の目安 |
|---|---|---|
| テーマパーク | 富士急ハイランド、修善寺虹の郷 | 入場料などが半額~割引(本人・介護者1名) |
| 動物園・水族館 | 上野動物園、名古屋港水族館など(全国規模) | 入場料が半額~無料 |
| 美術館・博物館 | 静岡県立美術館、浜松市美術館、MOA美術館など | 入館料が割引~無料(本人・介護者1名) |
| 映画館 | TOHOシネマズ、シネプラザ サントムーンなど | 鑑賞料金が1,000円(本人・介護者1名) |
割引率は施設によって大きく異なるため、訪問前に各施設の公式サイトで最新情報を確認することをお勧めします。
生活関連:公共料金や税金の優遇措置
日常生活の負担を軽減する制度も整っています。
- NHK放送受信料:世帯全員が市町村民税非課税で、かつ世帯員の誰かが障害者手帳を持っている場合は「全額免除」。重度障害者が世帯主の場合は「半額免除」となります。
- 携帯電話料金:ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアでは、障害者手帳を持つ方を対象とした割引プラン(ハーティ割引、スマイルハート割引など)を提供しています。
- 水道料金:多くの自治体で、障害の等級に応じて基本料金や一部使用料の減免制度があります。浜松市でも重度障害者のいる世帯などを対象に減免が実施されています。申請が必要なため、お住まいの市町の担当窓口にお問い合わせください。
- 税金:所得税・住民税の「障害者控除」、自動車税の減免、相続税の控除など、税制上の優遇措置が設けられています。年末調整や確定申告の際に忘れずに申告しましょう。
まとめ:割引制度を賢く活用し、静岡での生活とお出かけを豊かに
本記事で見てきたように、障害者手帳は、静岡県内での温泉旅行から日々の生活に至るまで、様々な場面で経済的な負担を軽減してくれる強力なツールです。特に浜松市のように、温泉施設の割引と交通費の助成を組み合わせることで、より気軽にお出かけを楽しむことができます。
重要なのは、「知っていること」と「事前に確認すること」です。利用したい施設やサービスがあれば、まずは公式サイトをチェックしたり、電話で問い合わせたりして、対象となる手帳の種類、割引率、介護者の適用の有無などを確認する習慣をつけましょう。また、ミライロIDのような新しいツールも積極的に活用することで、よりスマートに制度を利用できます。
静岡県が提供する豊かな自然、文化、そして温泉を、障害者割引制度を最大限に活用して存分にお楽しみください。この記事が、その一助となれば幸いです。


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